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2012 Fiscal Year Research-status Report

Notchシグナルの細胞周期依存的制御の解明

Research Project

Project/Area Number 24657139
Research InstitutionKyushu University

Principal Investigator

佐方 功幸  九州大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (80142024)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2014-03-31
KeywordsNotch / 細胞周期 / タンパク分解 / ユビキチン / 神経分化
Research Abstract

Notchシグナルは、Notchレセプターの細胞質側領域(NICD)が細胞膜から遊離して転写因子として働くことで伝達される。このNICDは不安定なタンパク質であり、その分解機構の解明はNotchシグナルを理解する上で重要である。研究代表者はNICDが細胞周期の分裂期(M期)から第一間期(G1期)にかけてCdk3依存的に分解されること、またこの分解がこれまで報告されているSCF-Fbxw7ユビキチンリガーゼに依存していないことを見出していた。本研究課題では、この細胞周期依存的なNICDの分解機構を明らかにし、神経分化への関与を検証することを目的としている。
本年度は計画書通りCdk3のNICDへの結合とリン酸化の解析を行った。欠損変異体を用いて、NICD内のCdk3結合部位の同定を試み、N末領域にある複数の領域がCdk3とNICDの結合に必要であることがわかった。またNICDの分解に関与するCdk3結合サイクリンの同定について解析を行い、サイクリンEが最もNICDをリン酸化できることがわかった。また分解に関わるCdk3によるNICDリン酸化部位の同定について研究を行い、14カ所あるCdk3のリン酸化コンセンサス配列であるS/T-Pを個々アラニン置換した変異体を用いて検証し、複数のリン酸化部位がNICDの分解に関与していることが示唆された。
当初25年度に予定していたNICDの分解に関与するユビキチンリガーゼの同定についても研究を行い、既知のF-boxタンパクのうちSKP2を阻害すると細胞周期依存的なNICDの分解が特異的に抑制されること、逆に過剰に発現するとその分解が促進することが分かった。このことからNICDの細胞周期依存的な分解がSCF-SKP2ユビキチンリガーゼに依存していることを示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究課題では、細胞周期依存的なNICDの分解の分子機構を明らかにし、その分解の神経分化への関与を検証することを研究目的としている。
24年度に計画していたCdk3のNICDへの結合とリン酸化についての解析については、計画書に予定していたほぼ全てについての検証を行った。しかしながら、NICD内のCdk3結合部位が複数の領域存在すること、また14カ所のリン酸化コンセンサス配列のうちに、複数のリン酸化部位が関与することが分かり、未だ分解に関与する特定のリン酸化部位の同定には至っていない。分解に関わるリン酸化部位については、新たなアラニン変異体による検証と共にin vitroキナーゼアッセイ等により引き続き探索を続ける予定である。
上述したようにCdk3のNICDへの結合とリン酸化についての解析については、結合部位とリン酸化部位が複数存在したために大きな進展が見られなかったが計画書中では当初25年度に予定していたNICDの分解に関わるユビキチンリガーゼが、SKP2をF-boxタンパクとするSCF(SCFSKP)であることを強く示唆するデータが予定より早く得られたことは大きな進展であると考えられる。このデータに基づき、Cdk3によってリン酸化したNICDとSKP2との結合実験やSCFSKPによるユビキチン化アッセイなどのin vitroの実験系においても細胞周期依存的なNICDの分解の分子機構について検証することが可能となった。またアフリカツメガエルやマウスP19細胞を用いてSKP2の過剰発現または阻害実験を行い、NICDの安定性と神経分化への影響を計画通りに推進できると考えられる。

Strategy for Future Research Activity

24年度の研究から細胞周期依存的なNICDの分解にSCFSKP2ユビキチンリガーゼに依存していることが強く示唆された。25年度はNICDの分解にSCFSKP2が関与しているについて検証すると共に、計画書通りCdk3によるリン酸化との関連性について下記の解析を進める。
① NICDの各種欠損変異体とSKP2との結合を免疫沈降法により、NICDにおけるSKP2との結合領域を同定する。さらにこのSKP2と結合しないNICD欠損変異体が細胞周期依存的な分解を受けないかどうかを、培養細胞を用いて解析を行う。
② in vitroでCdk3によりリン酸化したNICDにSKP2が結合するかについての検証を行う。
③ in vitroでCdk3によりNICDをリン酸化し、このリン酸化したNICDをSCF-SKP2ユビキチンリガーゼによりin vitroユビキチン化反応を行う。これにより、Cdk3がSCF-SKP2ユビキチンリガーゼによるユビキチン化反応に直接的に関与しているかについて検証する。
④ 計画書通り、アフリカツメガエル胚およびP19を用いて細胞周期依存的なNICDの分解の神経形成への意義を検証する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

該当なし

  • Research Products

    (4 results)

All 2013 Other

All Presentation (2 results) Book (2 results)

  • [Presentation] ツメガエル未受精卵でのAPC/C制御におけるEmi2とUbe2Sの競合の解析

    • Author(s)
      迫 洸佑 ら
    • Organizer
      第35回日本分子生物学会年会
    • Place of Presentation
      福岡国際会議場、マリンメッセ福岡
  • [Presentation] APC/C阻害因子Emi1の分解機構

    • Author(s)
      原野 由衣 ら
    • Organizer
      第35回日本分子生物学会年会
    • Place of Presentation
      福岡国際会議場、マリンメッセ福岡
  • [Book] 実験医学増刊「ヒトと医学のステージへ拡大する細胞周期2013」2013

    • Author(s)
      佐方 功幸 ら
    • Total Pages
      24-32
    • Publisher
      羊土社
  • [Book] 生体の科学2013

    • Author(s)
      佐方 功幸
    • Total Pages
      72-79
    • Publisher
      医学書院

URL: 

Published: 2014-07-24  

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