2013 Fiscal Year Annual Research Report
動物細胞における温度センサーの探索と低温刺激応答シグナル伝達系の解明
Project/Area Number |
24657140
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
佐藤 孝哉 大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (20251655)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹中 延之 大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (20610504)
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Keywords | 低温刺激 / チロシンキナーゼ / ACK1 |
Research Abstract |
哺乳動物は、体内の温度がほぼ一定に保たれ、細胞を取り囲む環境は極めて安定に維持されている。しかし、哺乳動物の場合でも、生理的環境下で細胞が体温より低い温度にさらされる機会が存在する。とくに直接外界に接する皮膚、気管などは体温より低い状態に存在することがある。このような温度変化を感知し応答する細胞内シグナル伝達系は、ほとんど解析されていない。本年度は、昨年度に引き続き、動物培養細胞細胞を25℃の低温刺激にさらすとリン酸化が強く誘導されることが知られているチロシンキナーゼACK1の機能解析を進めた。 ACK1は、Rhoファミリー低分子量GTP結合蛋白質Cdc42の標的分子として知られている。一方、ACK1は、アダプター分子であるGrb2と結合し、種々のチロシンキナーゼ型細胞膜受容体と会合することも知られている。したがって、ACK1のリン酸化及び活性化を引き起こす上流のシグナル伝達メカニズムとしては、Cdc42を介する系と介さない系が想定される。25℃の低温刺激に応答したACK1のリン酸化誘導におけるCdc42の役割は明らかにされていないので、この点を明らかにするための解析を進めた。まず、ヒト胎児腎由来HEK293細胞のCdc42を効率よくノックダウンするsiRNA配列を検索し、これを用いてCdc42をノックダウンした細胞での25℃の低温刺激に応答したACK1のリン酸化を検討した。一方、25℃の低温刺激に応答したCdc42の活性化を検証するために、プルダウン法とオーバーレイ法によるCdc42の活性化(GTP結合型の増加)検出法の条件検討を行った。 次に、生理的に低温刺激にさらされるマウス皮膚の初代培養細胞を用いて、25℃の低温刺激に応答したACK1のリン酸化を検討した。さらにこの系でのCdc42の関与など、ACK1のリン酸化を誘導するメカニズムの解析も進めた。
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] Ras-related C3 botulinum toxin substrate 1 (RAC1) regulates glucose-stimulated insulin secretion via modulation of F-actin2013
Author(s)
S. Asahara, Y. Shibutani, K. Teruyama, H. Y. Inoue, Y. Kawada, H. Etoh, T. Matsuda, M. Kimura-Koyanagi, N. Hashimoto, M. Sakahara, W. Fujimoto, H. Takahashi, S. Ueda, T. Hosooka, T. Satoh, H. Inoue, M. Matsumoto, A. Aiba, M. Kasuga, and Y. Kido
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Journal Title
Diabetologia
Volume: 56 (05)
Pages: 1088-1097
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Astroglial IFITM3 mediates neuronal impairments following neonatal immune challenge in mice2013
Author(s)
Daisuke Ibi, Taku Nagai, Akira Nakajima, Hiroyuki Mizoguchi, Takahiro Kawase, Daisuke Tsuboi, Shin-ichi Kano, Yoshiaki Sato, Masahiro Hayakawa, Ulrike C. Lange, David J. Adams, M. Azim Surani, Takaya Satoh, Akira Sawa, Kozo Kaibuchi, Toshitaka Nabeshima, and Kiyofumi Yamada
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Journal Title
Glia
Volume: 61
Pages: 679-693
DOI
Peer Reviewed
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