2013 Fiscal Year Annual Research Report
細胞と組織の関係を明らかにする新規数理モデルの開発
Project/Area Number |
24657145
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石原 秀至 東京大学, 総合文化研究科, 助教 (10401217)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉村 薫 京都大学, 物質-細胞統合システム拠点(iCeMS), 助教 (50466033)
|
Keywords | 組織力学 / ベイズ推定 / 発生学 / 国際情報交換 フランス |
Research Abstract |
個体発生中に起こる組織の変形の背後にある力学過程を、これまで我々が開発してきたベイズを用いた力推定法を用いて、主にショウジョウバエの翅等の上皮系に用いて調べてきた。まず、推定手法についてその確度の検証や実験との比較、手法間の比較などについて行い、また、翅細胞の六角格子への配置メカニズムを、数値シミュレーションや、ミオシン分布との比較を行った上で同定し、論文として発表した。石原と杉村で、翅、背板、成虫原基、初期胚体軸伸張期のデータを取得し、それぞれのシステムに特徴的な変形のタイムスケールや異方性について、力の推定を行い、力学特性の違いを明らかにしている。対応するシミュレーションを行い、論文にまとめる予定である。 一方で、細胞形態内部自由度を取り込んだ連続体の定式化を試みたが、仏パリ第7大学とCurie研グループの同テーマの論文発表があり、研究方針の変更を余儀なくされた。現在、そのグループと密な連携をとりながら、我々の力推定手法と組み合わせ、ショウジョウバエの翅と背板について広視野大規模データを取得し、個々の細胞レベルのダイナミクスとそこから現れるマクロスケールの変形の関係のシステマティックな解析を進めている。翅は石原と杉村(研究分担者)が、背板はCurie研のBellaiche博士らが行っている。また、同グループと連携し、推定手法の拡張として、細胞膜の曲率を考慮する事で推定精度を改良する事や、培養細胞のモノレイヤー中での細胞の力の推定手法も検討している。前者については、ショウジョウバエ個眼ommatidiaを対象に、実データの解析を進めている。
|
Research Products
(8 results)