2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24657152
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
日比 正彦 名古屋大学, 生物機能開発利用研究センター, 教授 (40273627)
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Keywords | 体軸形成 / ゼブラフィッシュ / 胚発生 / 遺伝学 / 微小管 |
Research Abstract |
魚類・両生類の背腹軸形成は、受精後早期に開始する。一細胞期胚の植物極に微小管が形成され、植物極に存在する背側決定因子が微小管に沿って輸送され、胚盤細胞に取り込まれると、Wntシグナルが活性化する。これにより、背側特異的遺伝子が発現し、背側組織の誘導が始まる。本研究はゼブラフィッシュを用いて研究を行った。 (1)受精を引き金に形成される植物極微小管のイメージング:GFP-Tublin、EB1-GFPを発現するゼブラフィッシュ受精卵を用いて植物極微小管の形成過程を観察し、微小管はプラス側を予定背側領域に向けて伸長していること、微小管自身も背側領域に向かって移動していることを見出した。さらに、微小管に沿って小胞構造が背側に移動することを明らかにした。 (2)微小管形成を制御するメカニズムの解明:これまで受精によってCa2+ウェーブが動物局から植物極に起こることがメダカ胚で知られていた。Ca2+シグナルを阻害するthapsigarginを処理した受精卵では微小管が形成されないことから、Ca2+シグナルが微小管形成に関与していることが考えられた。これに関連して、Ca2+/calmodulin-dependent protein kingase 2g1のmRNAが卵植物極に局在していることを見出した。 (3)微小管依存性の背側決定因子の輸送機構の解明:背側決定因子はWnt8aと考えられているが、Wnt8a輸送に関与する候補分子として、背側組織の欠損を示す母性遺伝子効果変異体tokkaebiとhecateの責任遺伝子産物SyntabulinとGrip2aが予想された。生化学的実験からSyntabulinとGrip2aが会合すること、Syntabulinは微小管に結合しGrip2aを微小管上に招集することを見出した。また、ライブイメージングおよび免疫組織学的解析から、SyntabulinとGrip2aの複合体が、微小管上でWnt8aを含む小胞構造を輸送している可能性が示唆された。
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[Journal Article] Sox5 functions as a fate switch in medaka pigment cell development.2014
Author(s)
Nagao Y, Suzuki T, Shimizu A, Kimura T, Seki R, Adachi T, Inoue C, Omae Y, Kamei Y, Hara I, Taniguchi Y, Naruse K, Wakamatsu Y, Kelsh RN, Hibi M, Hashimoto H.
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Journal Title
PLoS Genetics
Volume: 10
Pages: e1004246
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] The parallel growth of motoneuron axons with the dorsal aorta depends on Vegfc/Vegfr3 signaling in zebrafish.2013
Author(s)
Kwon HB, Fukuhara S, Asakawa K, Ando K, Kashiwada T, Kawakami K, Hibi M, Kwon YG, Kim KW, Alitalo K, Mochizuki N.
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Journal Title
Development
Volume: 140
Pages: 4081-4090
DOI
Peer Reviewed
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