2012 Fiscal Year Research-status Report
非対称分裂を制御するWnt分子の時空間的制御を明らかにする
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24657159
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
伊原 伸治 国立遺伝学研究所, 構造遺伝学研究センター, 助教 (70373272)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | Wnt / 非対称分裂 / 可視化 |
Research Abstract |
Wnt分子はアミノ酸配列から親水性の性質をもつことが想定される。しかし、実際には強い疎水性を示し、細胞外基質に結合する傾向が非常に強い。これは脂質修飾によるものであり、Wnt分子が単純な拡散では標的細胞に到達する可能性が低いことを示していると考えられている。現在までにWnt分子の細胞外の局在決定は、結合タンパク質、レセプター、または細胞外マトリックスを構成するプロテオグリカンなどを介して、細胞の片側から反対側へ輸送されることが示唆されている。あるいは、特殊な小胞体にトラップされて能動的に細胞内を移動し、細胞の反対側で再度放出されるというトランスサイトーシスの様式でシグナルが伝搬する可能性も示されている。申請課題では、線虫C. elegansの非対称細胞分裂をモデルとして①3次元構築により生体内のWnt分子と細胞外マトリックスの経時的な局在変化を明らかにし、②Wnt分子の局在決定と非対称分裂に関与する翻訳後修飾の同定を目的とする。 現在までに基底膜の主要構成成分の可視化には成功しているので、平成24年度は、更に進展させて他の基底膜蛋白質の可視化、さらに動態解析のために多色蛍光蛋白質による可視化と光転換型の蛍光物質Dendra及びDronpaを用いて可視化を行った。線虫で発現させるために、コドンを線虫バージョン作り替えたにDronpaの発現することも確認した。多色の蛍光蛋白質GFPとmCherryによる可視化を行うために融合タンパク質を作成して、それぞれ細胞外領域での局在を確認することができた。光転換型蛍光蛋白Dendraに関しては、それぞれのWnt分子に対して融合タンパク質を作成したが、現在までのところ、蛍光が観察されていない。今後はDronpaをもちいて可視化を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通りにWnt分子の可視化に関しては、GFPやmCherryをもちいて複数のトランスジェニックラインを得ることができて、成果をあげることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで基礎的な実験を行い、いくつかのWnt分子に関して可視化を行ってきた。光転換型蛍光蛋白質Dendraに関しては、現在までのところ蛍光が観察されないが、スペーサー領域を入れるなどの改善を行い、可視化を実現させたい。また線虫版Dendraに関しては、良好な蛍光シグナルが観察されているので、今後Wnt分子と融合させ、イメージングに用いることができるのか、検討を行う。25年度はライブイメージングを行うことで、当初の計画通り、Wnt分子の細胞外局在を明らかにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(2 results)