2012 Fiscal Year Research-status Report
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24657165
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
山岸 明彦 東京薬科大学, 生命科学部, 教授 (50158086)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | Thermoplasma / T. acidophilum / 食作用 / 真核生物 / 細胞共生説 / 電子顕微鏡 / 3D画像 |
Research Abstract |
1)電子顕微鏡連続超薄切片観察 古細菌Thermoplasma acidophilumを培養、集菌、固定し、超薄切片の作製(Yasuda et al. 1995)を行った。連続切片として電子顕微鏡観察を行った。連続切片画像を無料のソフトウェアReconstructを用いて3D画像を作成した。細胞内部の膜に囲まれた空隙が閉じた空間である画像はまだ得られていないが、培地に開いている構造を明らかにした。また、空隙内部の細胞は、それを取り囲む細胞とは接触していず、食作用の途中と推定された。この課程は、真核生物細胞の細胞内共生説において、アルファプロテオバクテリアが細胞内に取り込まれる過程に対応すると推定出来る。また、真核生物細胞内の多数の細胞内器官のうち、小胞体やリソソームなどの構造が形成される過程を反映している可能性も考えられる。今後、完全に閉じた構造の確認を行う予定である。 2)共焦点蛍光顕微鏡を用いた観察 共焦点顕微鏡を用いて、食作用の観察をおこなった。T. acidophilum細胞を染色して、観察可能で有ることを確認した。今後、T. acidophilum脂質を用いたリポソームを作成し、蛍光色素で染色して取り込まれる過程を観察する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
電子顕微鏡の連続切片を元にした3D画像の撮影に成功している。また、共焦点蛍光顕微鏡観察に成功している。すでにT. acidophilum脂質を用いたリポソーム作成にも成功している。
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Strategy for Future Research Activity |
1)電子顕微鏡連続超薄切片観察 古細菌Thermoplasma acidophilumを培養、集菌、固定し、超薄切片の作製(Yasuda et al. 1995)を行う。連続切片として電子顕微鏡観察を行う。連続切片画像を無料のソフトウェアReconstructを用いて3D画像とする。昨年度これらの過程は成功している。今後、細胞内部の膜に囲まれた空隙が閉じた空間であるか、培地に開いているかを明らかにする。 2)共焦点蛍光顕微鏡を用いた観察 共焦点顕微鏡を用いて、食作用の観察をおこなう。2通りの方法を用いて、それぞれ異なった被捕食粒子を用い、様々な色素の組み合わせで観察を試みる。方法I. 被捕食粒子と保温後に固定してから観察。T. acidophilumの培養細胞を被捕食粒子と培養液中で混合後、56℃(T. acidophilumの至適生育温度)で1ないし数日保温した後にパラフォルムアルデヒド等で固定して観察を行う。方法II. 生育至適温度化で進行過程を観察。T. acidophilumの培養細胞を生体染色して、被捕食粒子と混合後、T. acidophilumの至適生育温度で保温した状態で観察する。何れの場合も、被捕食粒子とT.acidophilum細胞を異なった蛍光色素で染色しておき、T. acidophilum細胞の中に被捕食粒子が取り込まれる事を確認する。被捕食粒子:捕食させる粒子としていくつかの物を試す。何れの場合も捕食する側と別の蛍光色で染色する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
電子顕微鏡用消耗品、共焦点蛍光顕微鏡用消耗品、T. acidophilum培養様消耗品等の消耗品費を1,700,000円、学会発表旅費100,000円、アルバイト費100,000円、原稿校正費100,000円の支出を計画している。
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