2013 Fiscal Year Research-status Report
キノコ類のゲノム多様性からヒト進化の新知見を得るための試行的研究
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24657171
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
中山 一大 自治医科大学, 医学部, 講師 (90433581)
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Keywords | キノコ類 / ヒト / ゲノム多様性 / 高速シーケンサー |
Research Abstract |
キノコ類のゲノム多様性情報から、過去のヒトの移動や活動に関する知見を得るための情報基盤を整備する目的で、主に北半球に広く分布するベニタケ科のキノコであるチチタケの全ゲノム情報の解析を、次世代シーケンサー(ロシュ社GS Juniroシーケンサー)を用いて進行中である。チチタケ科のキノコ類は、動物・植物で一般的に用いられているエタノール保存後や、低温・超低温での保存後の抽出では著しいゲノムDNAの断片化をしめしており、野生のものを採取直後の子実体からの抽出のみが次世代シーケンサー解析に耐えうる品質のDNAの精製を可能にしている。また、その多様性を調査するため、主に北関東・東北の野生のチチタケを100株程度採取し、DNAを抽出、全ゲノム解析で同定された単一塩基多型の解析を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
チチタケゲノムの抽出条件が決定できず、次世代シーケンサー解析に利用可能なDNA量が限られているため、十分な被覆度が得られていないゲノム領域が多く存在している。
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Strategy for Future Research Activity |
一般的な単一塩基多型やサンガー法による塩基配列決定には、断片化したゲノムDNAでも十分なクオリティのデータが得られることがわかったので、今後はより多数の子実体を採取し、地域ごとの多様度の相違などの情報を得るとともに、次世代シーケンサーによる全ゲノム塩基配列決定に耐えうるDNAが精製可能な新鮮な子実体の採取を行い、全ゲノム配列の決定を完了する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
チチタケゲノムの全塩基配列決定について、これまでロシュ社の高速シーケンサーで決定したデータに加えて、イルミナ社の高速シーケンサーによる解析データを委託によって行い、より両者を統合してより精度の高い全ゲノム配列の構築を目指す予定だった。しかし、イルミナ社の高速シーケンサー解析に使用するためのゲノムDNAが、天候不順による子実体収穫量の低さと、DNA品質の低さから不足しており、委託解析を断念せざるを得なかった。よって実施委託料が次年度使用額となった。 高品質ゲノムDNAが精製でき次第、高速シーケンサー解析の実施委託料として速やかに利用する。
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