2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24657174
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
前田 享史 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90301407)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 血管機能 / 血管柔軟性 / 血管反応性 / 圧迫負荷 / 脈波 |
Research Abstract |
本研究は、指先皮膚血流量、指先容積脈波に着目し、圧迫負荷を用いることで、手指の血管機能(柔軟性および反応性)を評価する新しい指標を開発し、検証することを目的とした。本年度は、圧迫負荷による末梢循環反応について把握するため、圧迫圧を変化させた際の脈波波形解析を行い、既存の血管機能評価指標との関連性について検討した。 健康な成人男性8 名を対象に、圧迫負荷試験および血管機能検査を実施した。圧迫負荷試験は、35分間の仰臥位安静後、カフで右上腕を圧迫し、プラトー状態に達した時点で開放した。圧迫圧は20, 40, 60mmHg の3 条件とし、各条件2 回実施した。圧迫前から圧迫終了後まで、指尖容積脈波、前腕容積変化率、皮膚血流量4 部位(前腕、手背、手指基節、手指末節)、末梢血管径、心電図を連続的に、血圧を圧迫開始直前に、加速度脈波を圧迫開始直前と開放直前に測定した。 圧迫負荷時の末梢血管径は、カフ圧が上昇するに従い増加し、無負荷時と比較した結果、40, 60mmHg圧迫時にて有意に高値を示した。圧迫負荷時の脈波振幅は、カフ圧の上昇に伴い低下し、無負荷時と比較した結果、40, 60mmHg圧迫時にて有意に低値を示した。圧迫負荷時の加速度脈波各指標を圧迫条件間で比較した結果、60mmHg圧迫時のc/a が0, 20, 40mmHg圧迫時に対して有意に低値を示した。各圧迫条件において、圧迫時の加速度脈波評価指標と血管径変化率の関連を検討したところ、60mmHg圧迫時のc/a と血管径変化率の間に正相関がみられた。以上のことから、圧迫負荷の脈波波形および脈波波形解析によって得られる指標を用いることで末梢部の血液貯留能力を判定できる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
末梢部位の血管柔軟性の評価指標に関して、圧迫負荷時の指先脈波および指先皮膚血流量からの検討が当初予定より進展している。しかし、血管反応性の評価指標の検討が当初予定よりも遅延している。以上のことから総合的に見ておおむね順調に進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
血管反応性の指標の検討を行う。 局所または全身の寒冷刺激によって血管収縮状態を惹起し、模擬的血管硬化状態とし、このときの血管柔軟性・反応性の各指標と冷刺激なし状態での各指標を比較検討することで、各指標の有効性を確認する。また、血管柔軟性・反応性の同時測定評価システムの検討・開発を目指す。 以上のことから、ヒトの指部血管柔軟性・反応性を評価する新しい方法を確立する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
24年度に計画していた血管反応性の評価指標の検討が当初予定より遅延したため、予定していた予算に未使用額が発生した。次年度ではこの遅延した計画を遂行すべく、対象者に対する被験者謝金および、実験に際して必要な、血流プローブ、サージカルテープ、消毒アルコール、記録用紙などの消耗品の購入費としての使用を計画している。また、当初予定より進展した血管柔軟性評価に関する研究論文の投稿料・別刷り、英文校正のための謝金として使用する予定である。
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Research Products
(1 results)