2014 Fiscal Year Annual Research Report
3つの骨格型に分類した日本人成人の顔面の軟組織厚および下顔面の形態の推定法の確立
Project/Area Number |
24657181
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
宇都野 創 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (60367521)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 復顔法 / 法人類学 |
Outline of Annual Research Achievements |
3つの骨格型に分類した日本人成人の顔面の軟組織厚および下顔面の形態の推定法の確立と題して助成を受け遂行した、本研究は身元不明の頭蓋骨から顔貌を推定する復顔法に関する研究であり、当該の方法をおこなうには顔面の軟組織厚のデータが不可欠である。これまでは復顔法をにもちいられる顔面部の軟組織厚のデータは人種および男女に分類されただけのものをもちいてきたが、ヒトの顔貌は大別して三型(凹型、凸型、および正常型)分類される。このため復顔法においても軟組織厚のデータも三型に分類されることでより精度の高い推定が可能になるという発想の下に研究を遂行した。研究遂行の結果、日本人においては顔面の軟組織厚は女性においては骨格型間で著しい差異の存在を観察した。これまで復顔法をおこなう場合は一種類のデータのみをもちいておこなわれてきたが、同性であっても頭蓋骨の形態により軟組織厚が異なるためそれぞれに合わせたデータが必要になるが、本研究によりこれを可能にした。すなわち復顔法による正確な顔貌の再現が一歩前進したこととなる。当該の研究は平成26年(25年度中)にForensic Science International誌に論文が掲載された。("Facial soft tissue thickness differences among three skeletal classes in Japanese population, Hajime Utsuno, Toru Kageyama, Keiichi Uchida, Toshio Deguchi, Hiroo Miyazawa, and Kazuhiko Kibayash, Forensic Sci Int, 236: 109e1-109e6, 2014.) 著者は現在さらに研究を進展し、頭蓋骨からの正確な鼻尖部の推定法の確立を目指し、男性においてはこれに成功して学会発表をおこなった。(9th International Symposium on Advances in Legal Medcine The 98th Congress of the Japanese Society of Legal Medcine (Fukuoka)) 現時点はさらに女性においての確立を目指している。
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