2013 Fiscal Year Research-status Report
拮抗的なbHLH型転写因子対が関わるイネ穀粒長・穀粒重制御ネットワークの解明
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24658001
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
佐々 英徳 千葉大学, 園芸学研究科, 准教授 (50295507)
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Keywords | イネ / 粒長 / 転写因子 / bHLH |
Research Abstract |
イネにおいて多収性は、世界的には最重要形質であり、粒重は重要な収量構成要素である。我々は最近、逆遺伝学的手法により、粒長と粒重の負の制御因子として働くAPGと命名したbHLH(basic helix-loop-helix)型転写因子と、それと結合し拮抗的に働く粒長と粒重の正の制御因子であるPGL1と命名したHLH型転写因子を見出した。この互いに拮抗的に作用するbHLH/HLH転写因子APG/PGL1の関与するイネ穀粒長・粒重の制御経路は、新規の経路であることを示唆する実験結果も得ている。この制御経路に関わる遺伝子ネットワークを解明することで、関連遺伝子の遺伝子操作や人為突然変異、自然変異利用による多収性育種技術開発の基盤を構築する。 イネの全身で強い発現を誘導するユビキチンプロモーターの下流にPGL1を連結し、PGL1を全身で過剰発現する形質転換イネを作出した。顕著な粒長の増大を見せた形質転換体は結実率が低下していた。これは、PGL1と同様にbHLH型転写因子をコードし、ブラシノステロイド情報伝達への関与が示唆されているBU1の過剰発現個体と類似した表現形である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでキチナーゼプロモーターを用いてPGL1の過剰発現形質転換体を作出し、PGL1の粒長増大効果を確認してきたが、全身で遺伝子発現を誘導するユビキチンプロモーターを用いたところ、粒長の増大に加え、これまでに見られなかった稔性低下という新たな表現形が観察された。これは同じくbHLH型転写因子でブラシノステロイドシグナル伝達への関与が示唆されているBU1の過剰発現と類似した表現形であり、PGL1とBU1の機能的類似の可能性が考えられる知見である。
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Strategy for Future Research Activity |
PGL1、APGの関わる流暢制御の遺伝子ネットワークを明らかにするため、イネ遺伝子共発現データベースなどを利用し、APGの制御を受ける下流遺伝子候補の探索とその解析を進める。
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