2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24658003
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伊藤 純一 東京大学, 農学生命科学研究科, 准教授 (30345186)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 植物 / 育種 / 遺伝学 |
Research Abstract |
本研究は、染色体の倍数化と遺伝子の量的効果との関係をイネの同質倍数体(三倍体、四倍体)を用いて解析し、遺伝子コピー数に依存しない発現調節機構、すなわち遺伝子量を補正する機構を、ゲノムワイドな網羅的発現解析ツールを用いて明らかにすることを目的としている。同質倍数体同士の遺伝子発現プロファイルから、鍵となる調節因子を抽出し、エピジェネティックな制御機構が、ゲノムの倍加、遺伝子の発現変化にどのような影響を与えているのかを明らかにする。 イネ品種日本晴の幼苗にコルヒチン処理を行ない、そこから得られた4倍体と思われる巨大化した種子を取得した。種子が4倍体であることを確認することを目的に、根端由来の細胞において染色体の数を確認したところ、通常の2倍程度の染色体が確認できたため、確かに得られた種子は4倍体であることが明らかとなった。四倍体の植物体はやや成長が悪かったため、四倍体を花粉親とし、二倍体との交配を行なった。20粒前後のF1種子を取得したが、いずれも胚乳の発達が極めて悪く、通常な種子を形成することはなかった。しかし胚は形成していると思われたため、培地上に置床し、三倍体の個体を救出することを試みたが、成功しなかった。このことから、四倍体を雄親とすることは(胚3n:胚乳4n)種子形成の効率が著しく悪いことが考えられた。また、四倍体の種子形成率は10%以下であり、極めて低い稔実率であった。 予想以下の稔実率と三倍体種子の著しく悪い形成効率により、多数個体を用いた形質の調査は諦めざるを得なかったが、二倍体と四倍体においては、ステージを合わせた後にマイクロアレイ用のRNA抽出を行った。他の条件が整い次第、イネ44kマイクロアレイにより両者の網羅的発現プロファイルを入手する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
著しく悪い三倍体の種子形成効率により、三倍体の植物体を得ることができなかった。また予想以下の稔実率により多数個体を用いた形質の調査を行なうことができなかった。これらの理由により二倍体、三倍体、四倍体、全てが揃った条件でRNA調整を行なうことができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
四倍体を雄親とした交配(胚3n:胚乳4n)は著しく種子(胚乳)形成が悪いことが明らかとなったので、次年度は二倍体を雄親とする交配(胚3n:胚乳5n)を行なう。四倍体種子を大量に得るため、本年度収穫した後の植物体を株保存し、多数の四倍体を増殖させ種子の収穫を行なう。それらの四倍体種子を用いて、形質調査を行う。 また、二倍体、四倍体のマイクロアレイによって、注目する形態的有用形質に関与する遺伝子群が、発現変動リストに含まれているのかを調査し、その発現量と、それぞれの倍数体の表現型との相関を調査することによって、形態形成の鍵遺伝子が、倍数化によってどのように制御されているのかを明らかにする。 倍数化によって遺伝子発現変動が観察された遺伝子リストの中から、DNAのメチル化、ヒストン修飾、小分子RNAに関わる因子を中心に探索し、どのような経路が関わっているのかを吟味する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度は、二倍体、三倍体、四倍体個体全てのサンプルを用いたマイクロアレイ解析を断念したが、二倍体、四倍体においてはサンプリングを行なったので、次年度は早急にこれらを用いたマイクロアレイ解析を行ない、両者で発現の異なる遺伝子リストを得る。三倍体の遺伝子発現変動については、二倍体、四倍体から得れた遺伝子リストを元に、リアルタイムPCRにより遺伝子発現変化を調査する。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Role of Transposon-Derived Small RNAs in the Interplay between Genomes and Parasitic DNA in Rice2012
Author(s)
Nosaka, M., Itoh, J.-I., Nagato, Y., Ono, A., Isiwata, A. and Sato, Y.
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Journal Title
PLoS Genetics
Volume: 8
Pages: e1002953
DOI
Peer Reviewed