2013 Fiscal Year Annual Research Report
ダイズ種子吸水過程における水浸透ダイナミクスを探る
Project/Area Number |
24658013
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
実山 豊 北海道大学, (連合)農学研究科(研究院), 講師 (90322841)
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Keywords | 耐湿性 / 種子 / 冠水害 / 発芽 / 吸水 / 受動 / 能動 / 微細構造 |
Research Abstract |
水田転換畑に広く展開する国内ダイズ作にとって、播種直後の過湿はダイズ減収を引き起こす大きな問題、種子冠水害となっている。 国内外のダイズ8品種、ハヤヒカリ、トヨムスメ、いわいくろ、エンレイ、スズマル、ナカセンナリ、フクユタカ、Pekingの、含水率5%程度まで乾燥させた種子において、冠水害耐性の有意な品種間差を見出した。そして冠水害耐性の差に、種子の吸水動態、具体的には、冠水処理初期における「受動吸水速度/能動吸水速度」と非常に密接な関係ある事を明らかにした。受動吸水速度とは、種子を過剰な水に浸水させた時に起こる吸水形態で、この速度は、種皮の透水コンダクティビティと密接な関係性を示した。能動吸水速度とは、湿った媒体に種子を置床した際に毛管現象で水を吸い上げる時に起こる吸水形態で、この速度は、子葉から抽出した溶液の浸透濃度と深い関係性を示した。すなわち、ダイズ種子の冠水害耐性は、種皮の物理的透水性や、子葉内の浸透ポテンシャルが複合的に形成する吸水速度に影響されている可能性が示唆された。
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