2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24658023
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
古谷 勝則 千葉大学, 園芸学研究科, 准教授 (10238694)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 清龍 岩手大学, 農学部, 准教授 (50323473)
櫻庭 晶子 筑波技術大学, 産業技術学部, 准教授 (10215692)
國井 洋一 東京農業大学, 地域環境科学部, 准教授 (10459711)
小林 昭裕 専修大学, 経済学部, 教授 (60170304)
上田 裕文 札幌市立大学, デザイン学部, 講師 (30552343)
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Keywords | 緑地 / 自然 / 都市 / 体験 / 変遷 |
Research Abstract |
都市緑地は「生態系サービス」という自然の恵みをもたらしている。都市インフラとして良質な緑地整備を進めていくためには、生態系サービスを指標として、それを最大限活用するような緑地計画技術が望まれる。これまで、都市域の緑地評価では、緑被率や種数、樹木データや不透水面積など計測できるデータが利用されてきた。本研究では、4つの生態系サービス(基盤、供給、調節、文化的)の中でも最も計測が難しいと言われている文化的サービスに着目し、自然体験からみる都市域の緑地の利用と変遷を明らかにすることを目的とした。本年度には、1.発展経緯の異なる都市の自然体験の違い、2.現在の緑地における自然体験の特徴を明らかにすることとした。 日本国内では、前年度の東京都に引き続き、札幌市と江戸川区の緑地に対する意識の研究を推進している。これらの研究が一般市民を対象としているのに対して、小学生を対象とした調査も練馬区で調査中である。また、横浜市の運河から緑地への変遷の研究もしている。 国外では、西寧市をフィールドとした研究を実施した。この研究では、自然体験の視点から見た都市住民の緑地の利用現状と印象を調査した。緑地に対する意識を民族別に調査している。また、韓国のソウル市での調査、インドネシアのジャカルタ、ニュージーランド、フィージーなどでの調査も実施している。こちらは、言語での調査が難しいので風景写真やイメージスケッチを使った調査とした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
韓国には研究代表者の指導学生がソウル国立大学に短期留学し研究を進めた。インドネシアの研究では、指導学生がボゴール農科大学へ短期留学して研究を進めた。ニュージーランドの研究では、指導学生がニュージーラーンドで調査した。これらの成果が、1st Asia Parks Congress JAPAN 2013の国際会議と、Japan Geoscience Union 2014大会の国際セッションにアブストラクト査読として採用された。 次に、中国青海民族大学の協力で西寧市における自然体験の民族比較研究を推進した。チベットからの博士後期留学生を研究代表者が受け入れて研究をすすめた。この研究では4民族を対象に自然体験を比較する研究をすすめ、研究成果が、ランドスケープ研究オンライン論文集の査読付き論文に採用された。札幌市の研究は、研究分担者とオーストラリアGriffith大学との共同研究である。
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Strategy for Future Research Activity |
海外の研究者との共同研究として、国内だけでなく海外でも研究を展開した。また、国内のフィールド調査にも海外の大学の協力をえることができている。このことからも、生態系サービスの研究は国内よりも国外で興味をもたれている可能性がある。今後の研究でも、海外の研究者の協力や、国際共同研究で進めていく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
現在、国内での調査の一部が遅れており、この分が未使用で残っている。一方で海外での研究は、学生の交換留学の経費をJSPSやJASSOからの援助で賄っており、この科研費では海外での調査費用のみを負担している。このため、残額がでている。 来年度は最終年となるため、不足分の調査を遂行し、調査報告書を印刷したいと考えている。
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