2014 Fiscal Year Annual Research Report
メリステム形成制御に関わるペプチドホルモンの園芸的利用の可能性を探る
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24658032
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
鉄村 琢哉 宮崎大学, 農学部, 教授 (00227498)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨永 るみ 広島大学, 生物圏科学研究科, 講師 (20373334)
澤 進一郎 熊本大学, 自然科学研究科, 教授 (00315748)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 園芸学 / メリステム / ペプチドホルモン / 果樹 / 組織培養 |
Outline of Annual Research Achievements |
CLV3は茎頂メリステムの形成制御に関わることが示されているが、そのCLV3より活性が高いといわれるCLE25を、昨年度、カキ‘平核無’シュート(組織培養体)に処理し、根が細くなる現象を確認した。同様の現象が他の果樹でも観察されるか否か、ブドウやブルーベリーのシュートを用いて同様の処理を試みた。 ブドウ‘ピノ・ノワール’シュートを常法に従いオーキシン(NAA)を添加した培地に植え付け発根処理したところ、CLE25処理による発根率の低下は観察されなかったが、根の発達が抑制され、根重が低下した。また、根の発達が抑制されたことによるシュートの成長抑制が観察された。一方、カキで見られたような根が細くなる現象は観察されなかった。そこで根の凍結切片を作成し、検鏡したところ、皮層の細胞数に対照区との差のないことがわかった。これは、カキの発根処理とは異なり、ブドウの発根処理では培地中にNAAを添加しているため、常にその影響があり、CLE25の皮層始原細胞の並層分裂抑制効果がNAAにより打ち消されたものだと推測された。一方、ブルーベリーについても同様の処理実験を行ったが、対照区のシュートですらほとんど発根しなかったので、根の調査ができなかった。 一方、CLV3そのものを使用し、CLE25と同じ処理を‘平核無’シュートに行ったところ、CLE25と同様の結果、すなわち、若干の発根率低下と根が細くなるという現象が観察された。そこで、根の凍結切片を作成し、検鏡したところ、CLE25処理根と同様の現象、すなわち皮層の細胞数が減少していることが明らかとなり、これら2つのCLEペプチドファミリーは同じ作用を持つことが示された。
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Research Products
(3 results)