2013 Fiscal Year Research-status Report
新たな花色制御技術の開発を目指したアシル化キナ酸生合成に関わる遺伝子の解析
Project/Area Number |
24658035
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
野田 尚信 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 花き研究所花き研究領域, 主任研究員 (10455313)
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Keywords | 花色 / コピグメント / アントシアニン / アシル化キナ酸 |
Research Abstract |
アントシアニンと助色素(コピグメント)との分子間会合(コピグメンテーション)は、花の青色発現機構の1つである。これを遺伝子組換えにより人為的に制御することができれば、アントシアニン本体の構造を改変することでは成し得なかった、青色の花色発現を可能にできる。青色発現に有効なコピグメント物質の特定と、その生合成に関与する酵素遺伝子を単離・解析して、花色に関与する遺伝子を特定するとともに、最終的には、植物への遺伝子組換えを行って花色への影響を明らかにすることを目指す。 平成25年度においては、アジサイなどから単離したキナ酸エステル生合成に関与すると考えられる遺伝子クローンをキクにおいて発現させるために必要となる基礎データの収集を行った。はじめに、形質転換実験に用いるキクの舌状花弁に蓄積しているコピグメントを明らかにするために、内在性のキナ酸エステル類の分析を行った。その結果、多様な系統や品種の舌状花弁において、クロロゲン酸とジカフェオイルキナ酸と考えられる二種類のキナ酸エステル類が蓄積していることが明らかになった。また異種植物種由来のキナ酸エステル類生合成関連遺伝子の導入により影響を受けると考えられる、キク花弁にて発現している遺伝子についての配列情報をEST情報を解析して得た。現在、異種植物種由来の遺伝子の組換えタンパク質を用いた機能の解析、およびキクへ導入するための準備に取り組んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計画では最終年度にはアシル化キナ酸生合成に関与する酵素遺伝子を導入した組換え体の解析を行うとしたが、得られた遺伝子候補の導入が最終年度になる。また、得られた候補遺伝子の組換え酵素による解析についても最終年度も引き続き行うこととなったため、計画に対する達成度はやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
アシル化キナ酸生合成に関与すると考えられる遺伝子クローンの解析および形質転換体作出による機能解析については、解析対象とする遺伝子を絞り、生合成への関与と花色改変の知見がより多く得られるよう研究を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額7,851円は研究費を効率的に使用したことによる残額である。 次年度使用額については、翌年度分として請求した助成金と合わせて遺伝子工学実験などの消耗品など研究計画遂行のために使用する。
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