2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24658039
|
Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
有江 力 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (00211706)
|
Keywords | 植物病害生物防除 / 非病原性菌株 / 新規処理方法 / 花器処理 / 種子 |
Research Abstract |
本研究は、イネ開花時に花器に生物農薬資材である非病原性株を散布処理し、非病原性株を潜在させた種子を調製、翌年の種子伝染病の発病を抑制する、新発想の、花器処理型種子伝染性病害用生物農薬を創成する事を目標とした。そのための基盤的知見を得るため、イネ種子伝染性病害としてばか苗病を、非病原性株としてばか苗病菌に近縁の非病原性フザリウム属菌を対象とし、以下の3 項目を目的とした。(1)ばか苗病防除に効果を示す非病原性株の選抜、(2)花器処理によるばか苗病防除効果の検定、(3)非病原性菌株の植物組織内動態と作用機作の解明。 平成25年度は、平成24年度に引き続き、非病原性株(W3、W5株等)の花器処理によるばか苗病防除効果をポット試験で確認した(二次選抜)。また、非病原性株がイネの生育に影響を及ぼさないことを確認した。さらに、選抜した株については、より大きな系(農工大FS本町水田)を用いた栽培で花器処理を行い、大量の処理種子を調製、ばか苗病防除効果を確認した。また、同様な試験を、青森県および宮城県の実圃場で実施、ばか苗病防除効果を確認した。この非病原性菌株によるばか苗病発病抑制効果の機作を明らかにするため、非病原性菌株の蛍光タンパク質(GFP)発現株を作出、非病原性菌株とばか苗病菌の花器~種子内での動態を可視化、観察し、非病原性菌株の花器処理によって、ばか苗病菌が種皮の内側に侵入できなくなること、そこで抵抗性が誘導されている可能性を推察した。 研究協力者(敬称略):東京農工大学大学研究員、加藤亮宏;東京農工大学大学院農学府学生、田中淳、徳永智美;青森県産業技術センター農林総合研究所研究管理員、倉内賢一;宮城県古川農業試験場研究員、鈴木智貴
|
Research Products
(3 results)