2013 Fiscal Year Annual Research Report
青枯病菌のタンパク質分解酵素エフェクターによる過敏感反応誘導と罹病化機構の解明
Project/Area Number |
24658042
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
一瀬 勇規 岡山大学, その他の研究科, 教授 (50213004)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
向原 隆文 岡山県農林水産総合センター生物科学研究所, その他部局等, 研究員 (80344406)
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Keywords | エフェクター / 非病原性遺伝子 / 過敏感反応 / プロテアーゼ |
Research Abstract |
ナス科植物青枯病菌RS1002の野生株はナス台木トルバムビガーに過敏感反応(HR)を誘導するが、本菌のrip36欠損変異株並びに本菌のRip36に保存されたZnプロテアーゼモチーフを改変させたrip36E149A変異株はHR誘導能を欠損したことより、Rip36がトルバムビガーにHRを誘導する非病原力遺伝子であることが判明した。本研究成果はMolecular Plant Pathologyに公表した。 Rip36と同様なZnプロテアーゼモチーフを保存するエフェクターとしてPseudomonas syringaeのHop1が知られている。全塩基配列が解読済みのP. syringae pv. tomato DC3000 (Pto)とpv. syringae B728a (Psy)はhopH1を有し、トルバムビガーにHRを誘導するが、hopH1を有しないpv. phaseolicola 1448A (Pph)はHRを誘導しない。そこでPtoやPsyのhopH1をPphに導入するとHR誘導能を獲得したことより、P. syringaeのhopH1も非宿主トルバムビガーにHRを誘導する遺伝子であることが判明した。さらに、HopH1のZnプロテアーゼモチーフHELVHをHALVAに改変することによりHR誘導能を欠損したことより、HopH1もRip36と同様HR誘導にはZnプロテアーゼ活性が必要と推察された。これらの成果は現在論文として投稿中である。 酵母Two-hybridシステムを用いたスクリーニングにおいては残念ながら確実な陽性クローンは得られていない。また、Rip36を誘導発現する形質転換シロイヌナズナを複数ライン作出した。いずれのラインにおいても、Rip36の発現誘導による植物の生育阻害効果は観察されなかった。本エフェクターの作用部位として、植物細胞の維持・増殖に関わる基本システム以外の経路、例えば自然免疫経路等が推測される。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Ralstonia solanacearum type III secretion system effector Rip36 induces hypersensitive response in the nonhost wild eggplant Solanum torvum.2014
Author(s)
Nahar, K., Matsumoto, I., Taguchi, F., Inagaki, Y., Yamamoto, M., Toyoda, K., Shiraishi, T., Ichinose, Y. and Mukaihara, T.
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Journal Title
Molecular Plant Pathology
Volume: 15
Pages: 297-303
DOI
Peer Reviewed
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