2013 Fiscal Year Annual Research Report
トノサマバッタはなぜオオムギを食べない?植食者の寄主と非寄主を決定する要因の探索
Project/Area Number |
24658054
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
徳田 誠 佐賀大学, 農学部, 准教授 (60469848)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 誠二 独立行政法人農業生物資源研究所, その他部局等, 研究員 (50370664)
川浦 香奈子 横浜市立大学, 付置研究所, 准教授 (60381935)
軸丸 裕介 帝京大学, 理工学部, 研究員 (90442970)
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Keywords | 異種染色体導入コムギ / オオムギ / コムギ / トノサマバッタ / 虫害抵抗性 / 寄主特異性 |
Research Abstract |
トノサマバッタやサバクトビバッタは、発育時の密度に依存して体型や体色、行動などを連続的に変化させる相変異という現象を示す 。この密度依存的な多型現象は、バッタ類の大発生と密接に関連していると考えられ、本種の防除を考える上で重要な要素である。とりわけトノサマバッタは、アジア地域でしばしば大発生し、農作物に甚大な被害を及ぼす潜在的重要害虫である。 本研究では、イネやコムギ、ソルガムなど、様々なイネ科植物を摂食するがオオムギは摂食しないというトノサマバッタの寄主特異性に着目し、オオムギ品種Betzesの染色体を1対ずつコムギ品種Chinese Springに導入したオオムギ染色体導入コムギ系統を用いて、トノサマバッタの行動や寄主選好性および受容性、そして生存率 や発育期間に影響を及ぼすオオムギ側の要因を、物質および遺伝子レベルで解明することを目的として研究に取り組んだ。 各染色体導入コムギ系統のみを与えて南西諸島産の群生相を1齢幼虫から5齢幼虫まで飼育した結果、コムギを与えたときに比べ、オオムギ染色体導入コムギ系統6Hで生存率が有意に減少し, オオムギ染色体導入コムギ系統2Hで1齢および2齢幼虫期間が有意に遅延した.以上より、オオムギの6番染色体および2番染色体には、それぞれトノサマバッタの生存および発育に負の影響を与える遺伝的要因が含まれていることが示唆された。一連の成果を学術雑誌に原著論文として取りまとめて発表した。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Effects of barley chromosome addition to wheat on behavior and development of Locusta migratoria nymphs2013
Author(s)
Suematsu, S., Harano, K., Tanaka, S., Kawaura, K., Ogihara, Y. and Tokuda, M.
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Journal Title
Scientific Reports
Volume: 3
Pages: 2577
DOI
Peer Reviewed
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