2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24658056
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Research Institution | National Institute of Agrobiological Sciences |
Principal Investigator |
寺本 英敏 独立行政法人農業生物資源研究所, 遺伝子組換え研究センター新機能素材研究開発ユニット, 主任研究員 (60391562)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高須 陽子 独立行政法人農業生物資源研究所, 遺伝子組換え研究センター新機能素材研究開発ユニット, 主任研究員 (00414912)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 昆虫 / 生体機能利用 / バイオテクノロジー |
Research Abstract |
本研究では、カイコ(B. mori)の遺伝暗号を拡張して21 番目のアミノ酸をコードできる系統を作出するための基盤研究を実施する。具体的には、終止コドンを利用して遺伝暗号を拡張する際に妨害要因となりうるNMD(nonsense-mediated mRNA decay)関連遺伝子を遺伝子ターゲッティング法によりノックアウトし、本来NMDの標的となるはずのmRNAが安定化されるかを明らかにする。 本年度は、以下の3点を実施した。(1)カイコNMD機構に関連すると推定される遺伝子3種をカイコゲノムDBから推定し、遺伝子ターゲッティングに適すると推定した部位をゲノムDNAからPCR増幅して塩基配列を確定した。(2)上記(1)で確定したターゲット配列に対してTALENを設計し、それらをコードするプラスミドDNAを構築した。(3)ショウジョウバエにおいて特定の3'非翻訳領域配列をもつmRNAがNMDによる分解を受けるという既報を参考に、カイコ培養細胞において同様の実験を行い、カイコにおいても特定の3'非翻訳領域配列を持つときに発現量が低下することを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の主な目的は、カイコNMD関連遺伝子のノックアウト実験を行うための材料を整備することであった。必要な材料のうち、カイコNMD関連遺伝子に対して設計したTALENプラスミドの構築は予定通り完了し、さらに、ノックアウト実験に用いるカイコ培養細胞に導入するレポータータンパク質遺伝子の設計と構築も完了した。また、それら遺伝子をゲノム中に組み込んだカイコ培養細胞株の作出にも既に着手している。以上のことから、当所の計画に従っておおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、本年度作出したTALENを用いたカイコNMD関連遺伝子のノックアウト実験を中心に以下の2点を実施する。(1)初年度に作出したTALENを蛍光タンパク質を発現するカイコ培養細胞に投与し、その際の蛍光タンパク質の発現量変化を解析する。(2)上記(1)で変化が見られた場合、細胞からゲノムDNAを抽出し、標的遺伝子へどのような変異が導入されたかをPCRで明らかにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
試薬やプラスチック器具等の消耗品を効率的に使用した結果、本年度の研究費に若干の余剰が生じた。それらは次年度の研究費と合わせて、主に細胞実験に必要な試薬類やプラスチック器具類の購入に使用する。
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