2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24658056
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Research Institution | National Institute of Agrobiological Sciences |
Principal Investigator |
寺本 英敏 独立行政法人農業生物資源研究所, 新機能素材研究開発ユニット, 主任研究員 (60391562)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高須 陽子 独立行政法人農業生物資源研究所, 新機能素材研究開発ユニット, 主任研究員 (00414912)
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Keywords | 昆虫 / 生体機能利用 / バイオテクノロジー |
Research Abstract |
本研究では、カイコ(B.mori)の遺伝暗号を拡張して21番目のアミノ酸をコードできる系統を作出するための基盤研究を実施する。具体的には、終止コドンを利用して遺伝暗号を拡張する際に妨害要因となり得るNMD(nonsense-mediated mRNA decay)関連遺伝子を遺伝子ターゲッティング法によりノックアウトし、本来NMDの標的となるはずのmRNAが安定化されるかを明らかにする。 昨年度までに、カイコNMD機構に関連すると推定される遺伝子3種(BmUpf1, 2, 3)の部分配列を解読し、これら配列をターゲットとするTALEヌクレアーゼ(TALEN)遺伝子を設計・構築した。また、ショウジョウバエで見出された特定の3'非翻訳領域配列をもつmRNAが、カイコにおいてもNMDの標的になりうることを確認した。 本年度は、以下の3点を実施した。 (1)NMD感受性および非感受性の配列をもつ2種の蛍光タンパク質(GFPおよびDsRed2)を同時に発現する組換え培養細胞(BmN)を作出した。 (2)1で作出した培養細胞に対して昨年度構築したTALEN遺伝子mRNAをトランスフェクションし、ゲノム中のターゲット配列の切断が生じるかどうかを解析した。その結果、BmUpf3遺伝子をターゲットとするTALEN mRNAを投与した際に、ゲノムの切断が生じたことを示唆する結果が得られた。一方で、蛍光タンパク質の相対的発現量の明確な変化を観察するには至っていない。
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