2013 Fiscal Year Research-status Report
piggyBac転移酵素の改変による配列特異的遺伝子組換え手法の開発
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24658057
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Research Institution | National Institute of Agrobiological Sciences |
Principal Investigator |
小島 桂 独立行政法人農業生物資源研究所, 新機能素材研究開発ユニット, 主任研究員 (40370655)
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Keywords | piggyBac / ZincFinger / カイコ |
Research Abstract |
トランスポゾンpiggyBacを用いた、カイコの遺伝子組換え手法の改変として、piggyBac転移酵素に配列特異性を付与する試みとして以下の研究を行なった。 組換えpiggyBac転移酵素として、昨年度作成した2種(それぞれ転移酵素のN末端に2種の異なるZincFingerDNA結合ドメインを融合させたもの)を用い、これらを発現ベクターに組込んで、piggyBacトランスファーベクターとともに、カイコ培養細胞(BmN)にトランスフェクションした。1-2週間後に培養細胞からDNAを抽出し、piggyBacの両末端からインバースPCRを行なって、挿入位置近傍のDNA配列を獲得し、その塩基配列を決定してpiggyBac転移酵素の改変による挿入位置の変化を検証した。 解析結果は、インバースPCRによって得られた配列の8割以上が、導入したプラスミド由来あるいは、プラスミド内に転移した産物でありその排除がきわめて困難であった。未だ十分な数を確認できていないが、ゲノムに挿入された位置としては、非改変および改変piggyBac転移酵素間で差は無かった。また、得られた配列内に想定していた結合配列に相当する配列は見つかっておらず、今回調査した2種のDNA結合配列を融合させた改変piggyBac転移酵素では、配列特異的な転移活性は発揮されていないものと思われた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
培養細胞を用いた転移活性検定では想定以上にプラスミドDNAの混入が問題となり、その解決に時間を要した。そのため、想定していたサンプル数を解析できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画通り進めるが、培養細胞での検討が困難であるため、今後はカイコ受精卵を用いた転移実験を中心に研究を進める。 本年度までに解析を進めた2種の改変転移酵素に加え、新たに2種程度改変転移酵素を加えて、転移活性の改変を検証する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
年末から3月に発注した消耗品のいくつかについて、在庫切れにより購入できなかったために生じたものです。 当初計画に従って、使用する。
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