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2015 Fiscal Year Annual Research Report

栄養進化説の検証

Research Project

Project/Area Number 24658060
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

藤原 徹  東京大学, 農学生命科学研究科, 教授 (80242163)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2016-03-31
Keywords栄養進化 / 変異 / ホウ素過剰
Outline of Annual Research Achievements

これまでの研究によってホウ素過剰によりDNA損傷が引き起こされる現象を見いだしている。ホウ素過剰という実験的な栄養条件がDNA損傷を引き起こすということは、植物の栽培時のホウ素過剰が変異を誘導し変異の蓄積を引き起こす可能性が考えられる。植物を継代して栽培した場合の変異の蓄積率に栄養環境が影響を与えるかどうかを検証するため、シロイヌナズナのホウ素過剰ストレス感受性変異株およそ100個体を通常区、ホウ素過剰区の2処理区にて栽培し、自殖による継代を繰り返した。これにより自然変異を蓄積させた。通常区では適正濃度の液体肥料を与え、ホウ素過剰区ではそれに加えて本葉展開後の栄養生殖期に2度、通常区の30倍濃度のホウ酸を与えて栽培し、種子を採取しては次世代を生育させる作業を行った。この栽培条件でホウ素過剰区では典型的なホウ素過剰症である葉の周縁部の枯死と稔実の不良が観察され、本処理条件下においてホウ素過剰ストレスが生じていることが確認された。自殖継代を8世代繰り返した後、各処理区につきそれぞれ4個体、また継代を始める前の世代についてゲノム配列データを次世代シーケンサーによるゲノムリシーケンスによって取得し、得られたデータの解析により継代中に蓄積した変異を同定した。一世代あたりの染色体ゲノムにおける変異導入箇所数の平均は通常区で0.38, ホウ素過剰区で0.63 [箇所/世代]となり、ホウ素過剰により変異が入りやすい傾向が見られた。導入された変異に特定の遺伝子に対するバイアスがあるかどうかについては、変異箇所が少なくはっきりした結論は導きだすことはできなかったが、本研究は栄養条件が自然変異の発生頻度に影響を与え進化を加速するということを示すものとなった。

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Published: 2017-01-06  

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