2013 Fiscal Year Annual Research Report
宇宙農場のためのクリノスタット微小重力装置を用いた作物栽培基盤研究
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24658061
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
横山 正 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (70313286)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅田 倫弘 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60111803)
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Keywords | 疑似微少重力 / クリノスタット / 根粒 / 根 / 側根 / 静電容量 / 根伸長の地中計測 |
Research Abstract |
国際宇宙ステーションや深宇宙探査など宇宙空間での長期間滞在に対応する食料確保の技術の1つとして宇宙農場の建設が提案されている。宇宙空間の特徴の一つである微小重力環境が農作物の生育に与える影響は殆ど分かっていない。申請者らは、微少重力下ではダイズの根が、地上1G区に比較して有意に伸長し、さらに、その側根発生数が有意に低下することを見いだした。そこで、微小重力環境下で生じるこれら根の変異を、形態学的・分子生理学的手法や本課題で新規に開発する植物根伸長状況のin-situ観察技術で解明する。ダイズを7日間クリノスッタトによる疑似微少重力下で生育させ側根数の計測を行った結果、疑似微小重力環境では側根数が増加した。PGP1遺伝子が欠損している植物体は側根数が減少し、ARF8遺伝子が欠損している植物体は側根数が増加することが知られており、それらの遺伝子発現量が疑似微小重力環境でどのように変化するかを検討た。疑似微小重力環境でPGP1は遺伝子発現量が増加し、ARF8は減少していることがわかった。また、根粒菌を接種したダイズ幼植物を10日間クリノスタット環境で生育させた結果、疑似微小重力環境では根粒原基数が増加することがわかった。また、クリノスタットの微小重力環境下に設置した植物育成容器内で生育中の植物の根伸長状況のin-situ観察技術の開発では、成長過程において根伸長を詳しくモニタリングする必要がある。昨年度は、静電容量計測による模擬根を用いた根伸長計測手法を試みたが、静電容量は土壌中の水分量に大きく影響を受け測定精度が低下した。そこで本年度は,水分量と相関のあるコンダクタンスを別の電極を用いて測定し,水分量制御を行った上で静電容量を計測し,非破壊かつ経時的に根伸長を測定する手法の基盤ができた。
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