2012 Fiscal Year Research-status Report
スプリット型tRNAからみたtRNAの構造安定化戦略と進化の研究
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24658074
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
田中 照通 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30273337)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | tRNA / スプリット遺伝子 / 進化 / ゲノム解析 / トランスクリプトーム解析 |
Research Abstract |
本申請研究はその発端となる事前研究が存在する。生命はどこからきたか?分子から細胞へとどのような過程を経て今の生物は存在するのか?その答えを得るための一つの方法論として申請者はtRNAに着目した。tRNAはタンパク質合成のキー分子であり、それ故に「安定」であることが「常識」であるが、事実は異なり、この分子は必ずしも安定というわけではない。その原因をtRNA分子が誕生する過程と、tRNAと同程度に古くから存在していて共に「共進化」してきたと考えることができるリボヌクレアーゼPというリボ核タンパク質酵素との相互作用の観点を切り口として種々のモデルを提唱してきた。tRNAの由来には複数あり、少なくとも1つは2つのスプリットされた分子の結合によって誕生したとするモデルを提唱した。後に、ゲノム上において実際にスプリット(分断)された遺伝子として存在するtRNAが見つかり、申請者のモデルの正当性が着目されつつある。 本申請研究では、スプリットした状態で転写され、後に連結されるいわゆるスプリットtRNAを実際に検索することと、実験的なモデル系を使って検証することである。 本年度はその事前研究を発展・進行させ、本申請研究へとつながる内容にあたる研究成果を現在、投稿論文へとまとめている途上である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は(1)実際の細胞からのtRNA分子ライブラリーの検索、(2)候補tRNAの試験管内転写を利用した個別の検証、(3)ゲノム情報におけるインフォルマティックスを利用した検索、の3つの部分から構成される。ゲノムデータベースの検索によって可能性があると思われる候補を絞り、実際の生物細胞において検索を行う手法をとっているが、概ね当初に推定したペースで検索を進めることができているため「順調」であると判断した。 今後は残りの検索を進めるとともに、モデル実験系での検証を行って行く予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は(1)実際の細胞からのtRNA分子ライブラリーの検索、(2)候補tRNAの試験管内転写を利用した個別の検証、(3)ゲノム情報におけるインフォルマティックスを利用した検索、の3つの部分から構成される。ゲノムデータベースの検索によって可能性があると思われる候補を絞り、実際の生物細胞において検索を行う手法をとっている。 今後は残りの検索を進めるとともに、モデル実験系での検証を行って行く予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験的な操作が中心となっているため、主に試薬と試薬の反応に必要なプラスチック器具の購入のために支出を行う。また一部は、研究成果の発表のための学会出張や参加費、あるいは論文投稿費用として支出してゆく。
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