2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24658075
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
粟冠 和郎 三重大学, 生物資源学研究科, 教授 (20154031)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
粟冠 真紀子 三重大学, 生物資源学研究科, 学術研究員 (00422882)
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Keywords | 堆肥 / 菌叢 / 遺伝子資源 / 細胞壁分解酵素 / リパーゼ |
Research Abstract |
100℃に近い高温の堆肥中にどのような細菌が生息しているか関心が持たれる。また、好熱性・耐熱性酵素の分離源としても注目される。今年度は主として、この2点について解析した。 堆肥化は、汚泥等を縦13 m×横7 m×高さ3 mに積み、底部から強制通気することで行われた。熱電対を25 cm間隔で設置した棒を堆肥中に挿入し温度測定した。約1週間ごとに堆肥を切り返し、その都度、深さ毎に試料を採取し、生菌数などのパラメーターを測定した。堆肥化52日までは強制通気を行い、それ以降は通気を停止し81日まで計測を継続した。堆肥化開始直後の温度は均一で55℃程度であったが、上層で温度は上昇し、最高で90℃以上に達した。強制通気を停止した52日以降は55~75℃で推移した。全菌数は経時的・空間的に安定しており、109~1010 cfu/gで推移した。堆肥化の過程で生菌数(顕微鏡法)は109から108 cfu/gのオーダーまで減少した。培養法では、培養温度37℃と60℃での生菌数は106~107 cfu/gで推移した。培養温度70℃では堆肥化開始時に104 cfu/gの数値が得られたが、徐々に低下し43日以降の計数が不可能となったことから、堆肥の温度上昇と培養可能な好熱性細菌数の間の相関性は見られなかった。クローン解析の結果、堆肥化開始14日目の優占菌はB. iranensisやB. thermoamylovoransなどのBacillus属細菌であり36%を占めたのに対し、81日にはMelghirimyces thermohalophilusのみで63%を占め、菌叢は大きく変化した。 60℃で乳酸菌や大腸菌細胞を溶解する細菌3株を純粋分離できた。1株はThermoactinomyces vulgaris他の2株はThermobacillus属の新規の細菌と予想され、高温性堆肥が好熱性細菌の分離源として有効であることが示された。
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