2013 Fiscal Year Research-status Report
長鎖アルカンの合成と分解に関わる酵素群の探索と脂質変換反応への応用
Project/Area Number |
24658078
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
櫻谷 英治 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (10362427)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 晃規 京都大学, 学内共同利用施設等, 助教 (10537765)
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Keywords | Prototheca / alkane degradation / subterminal oxidation / secondary alcohol |
Research Abstract |
長鎖n-アルカンをサブターミナル酸化経路で代謝する微細藻Prototheca zopfii JCM9400からその代謝経路に関わると推測されるsecondary alcohol dehydrogenase (SADH)をコードする遺伝子を単離した。この単離した遺伝子を大腸菌で発現し、基質特異性を評価した。形質転換大腸菌をLB培地で培養し、IPTGで誘導した後、菌体を回収し休止菌体反応に用いた。基質とした各種2級アルコールを0.2%、NAD+を補酵素として反応に用いた。C10からC20の2級アルコールを基質としたところ、2位に水酸基を有する2級アルコールを対応するケトン体へと変換する活性が高いことがわかった。5-ヒドロキシウンデカノールには活性を示すが、ヘキサデカノンの主要な中間代謝物である5-ヒドロキシヘキサデカノールにはほとんど活性を示さなかった。また、長鎖ケトンを基質とした場合の逆反応(還元反応)を評価したところ、反応は進行するものの酸化反応よりも活性は低いこともわかった。 ドラフトゲノム解析の結果、P. zopfii JCM9400のゲノム遺伝子のGC含量は極めて高く、ORFで約60%、非翻訳領域では70%以上示すことがわかった。また、今回解析したSADHとは別のホモログの存在も確認しており、今後その酵素(遺伝子)の諸性質を解明する計画である。長鎖アルカンをアルコールに変換すると考えられる酸化酵素がSADHの近傍にある可能性もあり、SADH遺伝子近傍を調査する必要があるとともに、P450遺伝子群を抽出し機能性を評価する必要もある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
P. zopfii JCM9400におけるアルカンのサブターミナル酸化に関わる酵素遺伝子の基質特異性を評価した。発現させた酵素SADHはNAD+を補酵素とし、1級アルコールの酸化還元は行わず、2級アルコールにのみ活性を持つことが見いだされた。また、本酵素のホモログ遺伝子もドラフトゲノム解析情報から得られており、今後ホモログ遺伝子の諸性質を解明する計画である。さらに長鎖アルカンのサブターミナル酸化に関わると考えられる候補遺伝子を抽出し、機能評価することが期待される。以上のことから達成度は順調であると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
ドラフトゲノム情報で得られた候補遺伝子(SADH、バイヤビリガーモノオキシゲナーゼなど)を単離し、それらの機能を評価する。さらには一般的に高発現プロモーターと考えられているプロモーターを単離し、形質転換系構築に利用する。ドラフトゲノム情報は得られているが、予想よりもGC含量が高かったため得られた遺伝子情報が断片化されている。今後、別の方法で遺伝子配列決定しより情報量が多いドラフトゲノム情報とすべきであると考えている。
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Research Products
(2 results)