2013 Fiscal Year Annual Research Report
メタボリック症候群改善を目指したマクロファージの細胞移動抑制因子の探索
Project/Area Number |
24658094
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
木岡 紀幸 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (90234179)
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Keywords | マクロファージ / メタボリック症候群 / 細胞遊走 / 細胞接着 / 糖尿病 |
Research Abstract |
脂肪組織へのマクロファージ(Mφ)の浸潤を引き金とする慢性炎症が、糖尿病などを含むメタボリックシンドローム(メタボ症候群)発症のカギとなる。Mφの脂肪組織への浸潤を抑制すればメタボ症候群を防ぐことができる。最近細胞接着とシグナル伝達を制御するSorbsタンパク質CAPの遺伝子破壊は、Mφの脂肪組織への浸潤を抑制し、インスリン抵抗性と糖の恒常性維持を改善することが報告された。つまり、Mφの細胞遊走におけるCAPの機能を抑制すれば、他の組織に影響を与えずにメタボ症候群を予防できると考えられる。本研究では、CAPに依存したMφの細胞遊走を抑制する食品因子のスクリーニング系の構築を試みた。まず、リアルタイム細胞遊走測定装置エクセリジェンスを用いてMφの細胞遊走アッセイ系を構築することに成功した。またMφ細胞株のCAPの発現を抑制した細胞株と既存のCAP遺伝子を再発現した細胞株を作成し、その遊走能をリアルタイム細胞遊走測定装置を用いて計測した。CAP発現抑制Mφでは細胞遊走能は亢進していたが、既存のCAP遺伝子を再発現しても遊走能の亢進は回復しなかった。これはMφにおいては既存のCAP遺伝子とは異なるスプライシングバリアントが発現しているためと考え、新たにMφよりCAP遺伝子を単離した。Mφ_CAP遺伝子は既存のCAP遺伝子と2か所(48アミノ酸)異なっていた。このMφ_CAP遺伝子をCAP発現抑制Mφ細胞株に再発現させたところ、細胞遊走能が回復した。CAP発現抑制Mφと新たに作成したMφ_CAP再発現細胞の細胞遊走能に与える効果を比較することによって、CAPに依存したMφの細胞遊走の測定が可能となった。
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Research Products
(9 results)