2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24658098
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
吉岡 佐知子 近畿大学, 農学部, 助手 (80200939)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 兼由 法政大学, 生命科学部, 准教授 (40351580)
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Keywords | 遺伝子工学 |
Research Abstract |
本研究は、セシウムを高濃度に蓄積する大腸菌の作製を目的とした。そのために、「金属イオンを高濃度蓄積する大腸菌のゲノム育種の開発」を行い、モリブデン酸やマンガンを高濃度に大腸菌細胞内に蓄積させることに成功した。それらのゲノム改変は、金属輸送システムと細胞内金属結合タンパク質を同時に遺伝的に強化させることであった。また、これらのゲノム育種により創出した金属高蓄積組換え大腸菌は、金属を細胞内に高蓄積する能力をもつが、その生育は非組換え大腸菌と変わらなかった。つぎに、このゲノム育種の理論を基盤として、セシウムに対する金属輸送システム遺伝子と細胞内金属結合タンパク質遺伝子の探索を、トランスクリプトーム解析により行った。そして、adiY、yagS、ybgI、ycfN、flu、yfiA、ygfB、adiY、yjiX、accDの9遺伝子の発現に変化が認められた。このうち、ybgI、accD遺伝子は金属結合に関与する遺伝子であり、他の遺伝子も輸送システムを担う遺伝子候補である。これらの結果より、yfiA、adiY、yagS、ycfN等の遺伝子がセシウムにより発現誘導され、細胞内セシウム恒常性に寄与する輸送システム遺伝子であることが示唆された。この遺伝子を用いた大腸菌のゲノム育種により、セシウムを高濃度に蓄積する大腸菌の作製が期待できる。研究計画では、25年度中に大腸菌の作製とその蓄積能の測定を行う予定であったが、tRNAの調整に手間取り、トランスクリプトーム解析でなかなか再現性が得られず大幅に研究が遅れてしまった。今後これらの結果を基にセシウムを高濃度に蓄積する大腸菌を作製する。
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Research Products
(9 results)