2012 Fiscal Year Research-status Report
新たなビタミンE生合成遺伝子の同定と、そのトコトリエノール生産への応用
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24658101
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
木村 映一 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 東北農業研究センター生産基盤研究領域, 主任研究員 (40391461)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 俊之 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 中央農業研究センター生産体系研究領域, 主任研究員 (70355303)
仲川 清隆 東北大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (80361145)
村田 和優 富山県農林水産総合技術センター(農業研究所、森林研究所及び木材研究所), 農業バイオセンター, 主任研究員 (80500793)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | トコトリエノール |
Research Abstract |
本研究では、イネにおいてこれまでに報告されていない遺伝子が、ビタミンEの合成に関与している可能性を示唆する結果を得た。そのため、イネにおいてこれまでに報告されていない新しい遺伝子が、ビタミンEを合成しているかどうかについての詳しい解析を行った。 イネの組織からRNAを抽出精製してcDNAの合成を行い、新たな遺伝子についてイネの様々な器官における発現解析を行うと共に、遺伝子全長のクローニングを行った。さらに、PCRによる遺伝子解析法や、HPLC分析、LC/MS/MS分析等の機器分析法を用いることによってビタミンEの定量分析を行うことによって、その遺伝子について詳細な機能の解析を行った。その結果、新規遺伝子がビタミンEを合成する機能を有しているということを明らかにすることができた。 ビタミンEの一種であるトコトリエノールは、様々な植物の中でも、イネの米ぬか部分において特異的に多く蓄積しており、非常に強力な抗がん活性(血管新生抑制作用)をもつという数多くの報告が存在する。さらに、トコトリエノールは血清脂質代謝調節作用ももつため、今後医薬品として活用されることが期待されている。これまでの本研究を通じて、新たな遺伝子の機能を明らかにすると共に、その遺伝子を利用することによって、トコトリエノールを生産する際に、その生産工程に利点をもたらす可能性があることについても、同時に明らかにすることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、イネにおいてこれまでに報告されていない新しい遺伝子が、ビタミンEを合成しているかどうかについての詳しい解析を行った。 まず、イネにおいて新規な遺伝子の全長のクローニングを行った。次に、クローニングした遺伝子について、PCRによる遺伝子解析法や、HPLC分析、LC/MS/MS分析等の機器分析法を用いた、ビタミンEの定量分析を行うことによって、その遺伝子について詳細な機能の解析を行った。その結果、新規遺伝子がビタミンEを合成する機能を有しているということを明らかにすることができた。 さらに、新たな遺伝子を利用することによって、今後医薬品として活用されることが期待されている、ビタミンEの一種であるトコトリエノールを生産する際に、その生産工程に利点をもたらす可能性があることについても、同時に明らかにすることができた。 これらのことは、当初計画に書かれていることを実行できたものであり、おおむね順調に進展していると判断することができる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究で機能を明らかにした新たな遺伝子について、イネの植物体において、実際に植物が生育する際に、どのような役割を担っているのかを詳細に解析する。 ビタミンEの一種であるトコトリエノールは、様々な植物の中でも、イネの米ぬか部分において特異的に多く蓄積しており、非常に強力な抗がん活性をもつことが知られている。そのため、今後医薬品として活用されることが期待されている。本研究で明らかにした、新たな遺伝子の機能を活かすことで、トコトリエノールを生産する際に、その生産工程に利点をもたらすための、最適条件を検討する。 各種HPLCカラムを用いたトコトリエノールの精製をラボスケールで実施し、ラボスケールからパイロットスケールへのスケールアップを検討し、問題点を検証すると共に、トコトリエノール生産への応用研究を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額89,971円は、研究費を効率的に使用して発生した残額であり、次年度の研究費と合わせて、研究費遂行のために使用する。 具体的には、前年度と同様、試薬やキットなどの試薬購入、プラスティックシャーレやチップやエッペンチューブ等の消耗品購入、植物細胞培養用の培地購入、イネ育成用の培土の購入、HPLC分析用のカラムや溶媒の購入、プライマー合成や遺伝子配列解析等の外注委託等に使用する。 こうした試薬や消耗品を利用して、植物細胞を培養したり、イネ植物体を栽培し、そこからサンプルを採取する。採取したサンプルについて、購入した試薬やキットを用いることで、トコトリエノールを合成する遺伝子の遺伝子配列の解析を行ったり、遺伝子発現状態を調べる。また、トコトリエノールの含量を定量するためには、HPLC分析や、LC/MS/MS分析を行う必要があるが、そうした分析を行うためには、サンプルを抽出するための試薬が必要であったり、HPLC分析用の分離カラム、サンプルを流すHPLC分析用の溶媒が必要になるので、そうしたことにも研究費を投入して、研究を推進する。
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Research Products
(1 results)