2013 Fiscal Year Annual Research Report
LC―MS/MSにおけるイオン系列選択的観測法の開発
Project/Area Number |
24658104
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
橋本 勝 弘前大学, 農学生命科学部, 教授 (40212138)
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Keywords | MSMS解析 / ペプチド配列 / アイソトポログ / イオン識別 |
Research Abstract |
本研究では、ESIMSMSにおけるペプチド配列解析においてペプチドのN末端、あるいはC末端に質量差を設けることで差スペクトルなどにより確実にイオンを区別する方法の開発を行った。平成24年度は、ペプチドC末端のカルボン酸をメチルエステル、重水素置換メチルエステルへ誘導することによりC末端フラッグメントイオン(y ion)を確実に識別する方法を開発した。しかし、本手法の場合、内部開裂によって生じたフラッグメントイオンの形成も多く、N側フラッグメントイオン(b ion)の検出には問題が残った。また、本手法の場合、アスパラギン酸やグルタミン酸をペプチド配列に有する場合これらのカルボン酸も反応してしまい、解析が複雑になることが問題であった。 これらの結果を踏まえ、25年度はN末端のアミノ基を修飾する手法を検討した。調製したAcOBtおよびその重水素置換隊は弱酸性(pH.5.5)条件下N末端アミノ基を選択的にアシル化した。用いたペプチド鎖のC末端にはリシンを配置したが、本条件では側鎖アミノ基は変化しないことが判明した。調製したN末端修飾ペプチドについて24年度に開発したプロトコルにより解析を行ったところ、きわめて確実にN側イオン(b ion)を検出することが判明した。ESIイオン化法ではまたC末端を修飾した時と比べて内部イオンの形成も少なく、C側イオン(y ion)の解析精度が向上した。 これらの解析について、これまでマニュアルでスペクトルを再構成させており、非常に時間のかかる操作が必要であったことから、本プロトコルをプログラム化した。本プログラムでは読み込んだスペクトルを瞬時に解析、N側イオン、C側イオンを区別して書き出すことができる。本プログラムについては、近日中に公開する。
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Research Products
(18 results)