2012 Fiscal Year Research-status Report
新規タイトジャンクション阻害物質スクリーニング法の開発と薬剤探索
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24658107
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
臼井 健郎 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (60281648)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | タイトジャンクション / Claudin-1 / Claudin-4 / L細胞 |
Research Abstract |
タイトジャンクション(TJ)は多細胞生物の上皮細胞層で細胞同士をきつく接着する構造であり、外界との仕切りとして機能する一方、蛋白質製剤などのバイオ医薬品投与の障害となっている。仮にTJ を一時的、かつ可逆的に緩めることが可能になれば、経皮・経粘膜といった、より侵襲性の低い薬剤投与法が可能となると期待されている。本研究では、TJ を一時的、かつ可逆的に緩める小分子化合物を探索する簡便なスクリーニング系の構築と探索を行い、リード化合物と成り得る化合物の取得を試みる。本年度はスクリーニング系の構築を行った。 まず動物細胞を用いたスクリーニング系の構築として、HL60, Jurkatといった浮遊細胞にClaudin-1を導入を試みたが、導入効率の悪さから安定発現株が得られなかった。そこでE-cadherinを発現しない付着細胞であるL細胞にClaudin-1、Claudin-4を導入することで、それぞれの安定発現株を構築した。Claudin-1及び-4安定発現細胞は、弱いトリプシン処理を行うことで浮遊させると互いに結合し、凝集体を形成すること、また凝集体は分散した細胞と比較して早く沈降することが確認できた。しかしながら当初期待したほどの沈降速度ではなく、また分散した細胞も凝集した細胞と同様沈降してしまうことから、計画していた細胞凝集塊の沈殿を判定するスクリーニング系は困難であると判断し、代わりに48穴プレートを用いた凝集塊の直接観察によるスクリーニング系構築に成功した。一方、粘菌を用いた系では現在のところ凝集活性上昇が見られず、検討を行っているところである。三つ目のカルシウム濃度上昇を指標とした系は、購入したキットによる検出が可能なことが確認できた。以上、計画した三つのスクリーニング系のうち、二つの系での薬剤探索が可能になった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24 年度の研究計画に挙げた構築する予定のスクリーニング系3つのうち、2つは構築が出来ている。残り1つのスクリーニング系構築は並行して行うものの、平成25年度に行う薬剤スクリーニングでは3つのスクリーニング系すべてが必要では無く、感度・効率・費用を考慮にして実際にスクリーニングに使用する系を一つ選択する予定であり、スクリーニング自体には大きな支障はない。
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Strategy for Future Research Activity |
現在構築が出来ていない粘菌を用いたスクリーニング系構築を進めるとともに、並行して構築済みの2つのスクリーニング系を用いたパイロットスクリーニングを開始する。感度・効率・費用を考慮していずれかのスクリーニング系を選択し、可逆的TJ開口剤のスクリーニングを行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(2 results)