2013 Fiscal Year Annual Research Report
食品の「安心」を確保するための低価格スクリーニング用放射線検出器の開発
Project/Area Number |
24658113
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
金子 純一 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90333624)
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Keywords | 放射能測定 / 検出器開発 / シミュレーション / スクリーニング法 |
Research Abstract |
日本の東北地方を襲った地震により福島第一原発事故が発生し、放射性セシウム等が飛散し、海産物、農産物の放射能汚染が発生した。厚生労働省により食品中の放射性セシウムの放射能濃度が規制され、簡便な放射能濃度測定器の需要が存在している。 本研究ではシンチレータを用い、食品による自己遮蔽のみとした簡便な検出器の技術的成立性検証を実験ならびにシミュレーションによって行った。実験ではCsI(Tl)シンチレータと光電子層倍管を使用し、放射能濃度が既知の米試料を使用しバックグラウンドならびにベンチマーク実験を行った。設計ではPHITS(Particle and Heavy Ion Transport code System) を使用した。その結果、1.25x1.25x3.0cm3のCsI(Tl)と光電子増倍管を組み合わせた検出器で22分の測定により放射能濃度100Bq/kg以下を保証できることを明らかにした。 さらに同サイズのCsI(Tl)とpinフォトダイオードを組み合わせた検出器の試作も試みた。回路ならびに実装技術の不足により十分な性能を持つ検出器の実現には残念ながら至らなかった。
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