2014 Fiscal Year Annual Research Report
そのまま食品分析を実現する1H‐NMR‐DOSY法の構築
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24658125
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松井 利郎 九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (20238942)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 定量NMR法 / NMR-DOSY法 / 糖分析 / 非破壊分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
NMR分析法における磁場こう配下での分子の移動拡散性の違いをもとに「1H-NMR法でのプロトン核スピン量の定量性(=qNMR法)」と、「異なる磁場では分子の拡散移動性は異なる(=DOSY法)」との磁気的性質に着目し、多成分共存下での食品成分(糖質)の “そのまま”分析法の確立を試みた(=1H-qNMR-DOSY法)。前年度までにグルコースの非破壊定量法を確立した成果をもとに、一般食品成分として重要なスクロース定量法への展開を図った。各種のDOSY測定に関する最適化条件を検討したところ、対象プロトンとして低磁場において共鳴ピーク(δ5.4 ppm)を与えるgluopyranosy-α-C1プロトンを選択した。また、磁場内で同一の拡散性を与えるcellobioseを外部基準物質として決定した。封印した外部基準物質含有キャピラリー管を5 mm-NMR管に対するインサート管とし、最適測定条件を検討した。その結果、0.05-0.3 T/m磁場こう配下においてスクロース分子固有の磁場拡散係数(4.9×10-10 m2/s、30℃)が得られ、スクロース濃度0.5-20.0 g/L範囲で得られたプロトンシグナル比との間に相関係数0.9999の高い相関関係が認められた。本NMR-DOSY法(cellobioseのC1プロトンδ4.5 ppm; 100.0 g/L)をもとに実試料の測定を行ったところ、オレンジジュース(36.1 ± 0.5 g/L)、パイナップルジュース(53.5 ± 1.1 g/L)及びスポーツドリンク(24.7 ± 0.6 g/L)ともに市販の食品分析用Fキットで得られた値と良好に一致し、本測定法が前処理を行うことなく簡便かつそのまま食品分析できる方法であることを明らかにした。なお、各飲料に対するグルコースの添加回収試験を行ったところ、いずれの飲料にいても回収率98.4-105.3%、相対標準偏差(RSD)として1.3-5.7%が得られ、本NMR-DOSY法が高い再現性を有していることが実証された。
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Research Products
(4 results)