2012 Fiscal Year Research-status Report
蛍光プローブを利用としたイソチオシアネート標的蛋白質の新規探索法
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24658127
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
加藤 陽二 兵庫県立大学, 環境人間学部, 教授 (30305693)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 宜督 岡山大学, 環境生命科学研究科, 准教授 (60324381)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | イソチオシアネート |
Research Abstract |
日本の誇るワサビなどの機能性食材に含まれるイソチオシアネートITC類は、抗ガンや抗菌作用を有する。しかしながらその生理機能の発現機序は未だ不明な点が多い。研究代表者らは、これまでの研究から生理条件下でITCがタンパク質のリジン残基と結合することを見出し、ITCのターゲット分子探索のための優れた「タグ」になると考えている。一方で、微量で活性を有するITC分子の追跡は容易ではない。本研究ではITCを分子内に有する蛍光色素に着目し、これを用いた生理機能解析を探求している。今年度はFITC修飾タンパク質に対するモノクローナル抗体の作製を行い、特異性解析とウエスタンブロットなどへの応用を行った。 FITCをタンパク質に結合させ、マウスに免疫し、特異抗体を分泌するハイブリドーマ細胞を2株得ることが出来た。培養上清からの抗体精製の過程で抗体が培地中のpH指示薬であるPhenol Redに結合することを見出したが、FITCの持つフルオレセイン構造に比べれば、低い結合性であった。しかしながら、培養細胞などを用いた実験においては、pH指示薬無しの培地を用いるなど、抗体の特異性について慎重に解析すべきであることがわかった。 次に、FITCでin vitro修飾したタンパク質(グリセルアルデヒド3リン酸脱水素酵素GAPDH)を電気泳動し、ゲルを蛍光測定した場合と、PVDF膜に転写して得られた特異抗体と二次抗体(酵素標識)、化学発光法を用いた場合の感度比較を行った。その結果、抗体を用いた手法は、10倍程度低濃度のITC修飾を検出できることがわかった。ゲルを直接蛍光測定する手法も簡便であり、ITC標的分子を探索するため、今後は二つの手法を併用して進めることとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目標としていたFITC抗体の取得は出来た。但し、Phenol Redとの交差性を確認する実験研究に時間がかかり、蛍光色素ITCとリジン誘導体の反応性について解析が充分に進められていない。in vitroでのFITC修飾タンパク質の電気泳動とその泳動ゲル、転写膜での蛍光・発光法の検出感度の比較検討は完了した。今後、真の目的である実際の細胞を用いた標的蛋白質の探索(免疫沈降法等)について実施するが、予定通りの進捗状況といえる。質量分析器の解析用PC及びソフトのアップグレードを行い、ITC付加したタンパク質あるいは低分子ペプチド等の構造解析が出来る環境を整えることが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
食事から得られたITCが反応する最初の場として、腸管を想定し、Caco2細胞を用いて、まずは蛍光ITCの作用点(標的蛋白質)を調べる。複数の蛍光色素ITCを用いて、ITC特異的な標的分子を見つけていく。その際には、蛍光を指標とするのに加え、特異抗体も免疫沈降法などに活用していく。他にもAITCやBITCなど、すでに取得済みのITC修飾リジンに対する抗体も活用し、実際の食品に含まれるITCによる標的分子探索につなげていく。 作用点として、タンパク質のみならず、アミノリン脂質なども想定している。研究計画を一部見直し、新たにアミノリン脂質もITCの標的候補として、研究を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
10万円ほどH25年度に繰り越しが出たが、年度内納品が難しい試薬を購入しなかったためである。この繰り越しも前年度経費の6%程度であり、H24年度の研究費は適正に用いられたと考えている。この予算は、ITCの標的蛋白質の探索のための試薬購入用として補填する。 また、H25年度は主として免疫沈降用試薬、タンパク質二次元電気泳動機器・試薬や簡易型蛍光検出装置などに研究費を用いる予定である。標的蛋白質が絞り込まれた場合は、同定を外注する費用も生じる。rhodamine Bのモノクローナル抗体作成も検討するため、各種培養細胞試薬や器具、牛血清なども購入する。
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Research Products
(2 results)