2013 Fiscal Year Annual Research Report
蛍光プローブを利用としたイソチオシアネート標的蛋白質の新規探索法
Project/Area Number |
24658127
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
加藤 陽二 兵庫県立大学, 環境人間学部, 教授 (30305693)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 宜督 岡山大学, 環境生命科学研究科, 准教授 (60324381)
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Keywords | イソチオシアネート / 蛍光 / 標的タンパク質 / 生理機能 |
Research Abstract |
日本の誇るワサビなどの機能性食材に含まれるイソチオシアネートITC類は、抗ガンや抗菌作用を有する。しかしながらその生理機能の発現機序は未だ不明な点が多い。研究代表者らは、これまでの研究から生理条件下でITCがタンパク質のリジン残基と結合することを見出し、ITCのターゲット分子の優れた「タグ」になると考えている。一方で、微量で活性を有するITC分子の追跡は容易ではない。本研究ではITCを分子内に有する蛍光色素に着目し、これを用いた生理機能解析を探求した。まずFITC修飾タンパク質に対するモノクローナル抗体の作製を行い、特異性解析とウエスタンブロットなどへの応用を行った。培養上清からの抗体精製の過程で抗体が培地中のpH指示薬であるPhenol Redに結合することを見出したが、FITCの持つフルオレセイン構造に比べれば低い結合性であった。次に、FITCでin vitro修飾したタンパク質(グリセルアルデヒド3リン酸脱水素酵素)を電気泳動し、ゲルを蛍光測定した場合と、PVDF膜に転写して得られた特異抗体と二次抗体(酵素標識)、化学発光法を用いた場合の感度比較を行った。その結果、抗体を用いた手法は、蛍光法に比べて10倍程度低濃度のITC修飾を検出できることがわかった。ゲルを直接蛍光測定する手法も簡便であり、二つの手法を併用して進めることとした。 FITC暴露したHL60細胞を蛍光顕微鏡で観察したところ、濃度依存的に蛍光物質が細胞に取り込まれたことから、細胞内標的タンパク質の探索を行った。CaCo2細胞およびHL60細胞ともにゲルのフルオレセイン蛍光検出および取得した坑フルオレセイン抗体によるウエスタンブロット法のいずれによっても複数の標的分子が見出された。二次元電気泳動によっても複数の標的タンパク質が検出されたが、免疫沈降法などを用いたタンパク質同定については今後の課題である。
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