2013 Fiscal Year Annual Research Report
幹・枝の表面積に着目したメタボリック・スケール理論の検証
Project/Area Number |
24658134
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
城田 徹央 信州大学, 農学部, 助教 (10374711)
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Keywords | 非同化器官表面積 / スケーリング / アロメトリー / 競争 / ヒノキ |
Research Abstract |
7年生ヒノキ20個体についてバイオマスと表面積の計測を行った。バイオマスと表面積の関係には,77年生ヒノキ,44年生ヒノキと同等のアロメトリーが成立していた。ただし20cm以下の枝葉については,この関係がずれる傾向があった。ヒノキは葉が形成された後に,葉の伸張が長期間継続し,木部が発達するまでのタイムラグが大きい。20cm以下の枝葉でみられたアロメトリ関係のズレは,単なる計測精度の問題だけでなく,このような成長様式の不明瞭さが影響していると考えられる。 300年ヒノキ林の森林構造を計測した。調査地は長野県王滝村の国有林である。年輪コアの採取,成長履歴の解析,水平個体分布の構造解析を行った後,サイズおよび個体間競争が過去10年間の個体間成長に及ぼす影響を解析した。ここで個体間競争の強さは,空間配置とサイズを考慮した競争指数によって表現した。解析の結果,個体の成長に対してサイズと双方向的競争指数が有効な指数として選択された。このときの有効競争距離は1mであり,近接した個体同士での競争が継続していることが明らかにされた。この地域のヒノキ天然生林では,チシマザサが地表を覆っているため,ヒノキの天然更新が倒木や株といった植物遺体上に限定される。その結果として,集中した更新が行われ,それらの間で現在もなお競争が持続していると考えられる。
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Research Products
(4 results)