2014 Fiscal Year Annual Research Report
分布北限域の絞め殺しイチジク集団は送粉共生を維持しているか
Project/Area Number |
24658142
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
大谷 達也 独立行政法人森林総合研究所, 四国支所, 主任研究員 (80353613)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金谷 整一 独立行政法人森林総合研究所, 九州支所, 主任研究員 (90353648)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 周年結実 / マイクロサテライト / 遺伝的組成 |
Outline of Annual Research Achievements |
アコウの分布北限域にあたる室戸岬および足摺岬において、およそ80個体ずつの結実フェノロジー観察を2年半にわたり実施した。それぞれの地域で49回のセンサスをおこなうことができた。室戸・足摺ともに4-5月に結実する個体が多く、9-10月に少ないという変動がみられたものの結実個体が0になることはなく、両地域ともに周年結実は維持されていた。しかし結実個体割合の変動係数は室戸60.5に対して足摺44.1となり、室戸の方が変動が大きく個体ごとの結実時期がより集中しているといえる。ただし、年間を通じて採取した成熟果嚢で発芽試験をおこなったところ、両地域ともに平均80%前後の高い発芽率を示し、年間を通じ発芽可能な種子を生産していた。17座の核マイクロサテライトマーカーで室戸・足摺集団の遺伝的多様性を評価したところ、いずれの指標でも室戸の方が低くヘテロ接合度(期待値)は海洋隔離された南大東島と同等の低さであった。集団の遺伝構造を評価するSTRUCTURE解析の結果、足摺では九州地域と遺伝的組成が類似していたが、室戸では地理的距離の近い足摺とは遺伝的組成が異なっていた。これらのことから、室戸では個体群が定着してからの時間が足摺に比べて短く、遺伝的に偏った集団であると推察された。STRUCTURE解析によって評価された個体ごとの遺伝的組成と観察によって記録された個体ごとの結実パターンには対応関係がみられなかった。室戸・足摺ともアコウの周年結実、すなわちコバチとの送粉共生は維持されていたが、遺伝的多様性の低い室戸の方が周年結実の安定性は低いことが示唆された。
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Research Products
(2 results)