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2013 Fiscal Year Research-status Report

菌類を活用した花粉症起因植物に対する花粉飛散防止法の開発

Research Project

Project/Area Number 24658148
Research InstitutionForestry and Forest Products Research Institute

Principal Investigator

窪野 高徳  独立行政法人森林総合研究所, 企画部研究評価科, 科長 (80353671)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 市原 優  独立行政法人森林総合研究所, 関西支所, グループ長 (10353583)
阪上 宏樹  九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (40604822)
Keywords花粉症 / 菌類利用 / 花粉飛散防止 / クロマツ / アカマツ / シラカバ / ハンノキ
Research Abstract

スギ黒点病菌(Sydowia japonica)のコロニーをツアペック・ドックス液体培地に投入後、約2週間、振とう培養して10の7乗個の胞子懸濁液を作成した。これら胞子懸濁液に5%大豆油と1.6%のレシチンを添加して、分生子乳剤を作成し、散布液とした。2012年11月及び2013年3~4月にかけて、有傷及び無傷処理したクロマツ、アカマツ、シラカバ及びヤマハンノキの成熟雄花に対し、スギ及びヒノキ雄花を人為的に枯死させることができる「S. japonica 分生子乳剤」を滴る程度に散布した。有傷接種はナイフでクロマツ及びアカマツ雄花の頭部や側部に傷を付けた後、分生子乳剤を散布処理した。クロマツ及びアカマツでは接種2ヶ月後に、シラカバ及びヤマハンノキでは接種4ヶ月後にそれぞれの雄花の開花状況を調査し、S. japonica菌の感染有無を判定した。
春季3~4月にかけて、クロマツ及びアカマツの雄花にスギ黒点病菌を接種した結果、有傷接種区及び無傷接種区とも、全ての雄花が開花し、発病は認められなかった。有傷処理による細胞の壊死が発生したが、本菌の感染はなく、花粉の飛散が正常に行われた。一方、シラカバ及びヤマハンノキにスギ黒点病菌を接種した結果、シラカバ雄花に対しては、雄花に異常は見られず、花粉は正常に飛散した。ヤマハンノキでは、開花しない雄花が発生したものの、雄花上に本菌の菌糸膜の繁殖が見られず、本菌の感染は確認されなかった。
クロマツ、アカマツ、シラカバ及びヤマハンノキの成熟した雄花に対し、有傷及び無傷処理を施して分生子乳剤を散布処理したが、ほとんどの雄花が開花し、本菌の感染は認められなかった。散布した分生子の活性は散布時に確認していることから、本菌が雄花上に定着しなかったことが感染しない原因と推察された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

スギ花粉及びヒノキ花粉の飛散を防止するSydowia菌懸濁液をマツ科樹木(クロマツ、アカマツ)及びカバノキ科樹木(シラカバ、ハンノキ)の雄花に人工接種した結果、本菌の雄花内部への感染は見られず、花粉の飛散を防止することが出来なかったことから、達成度は低いと判断した。達成度が低くなった原因は、接種源の活性が低かったため、雄花に感染しなかったと判断した。次年度は、Sydowia菌をマツ科樹木及びカバノキ科樹木の雄花に確実に感染させるため、より活性の高い「米ぬか・ふすま培地」に培養したSydowia菌糸体を接種源として使用する。

Strategy for Future Research Activity

スギの有傷雄花に接種した場合は、本菌はほぼ100%の確立で感染するが、クロマツ及びアカマツの有傷雄花ではまったく感染しなかった。このことから、次年度は分生子よりも一層活性の高い菌糸塊をもちいた接種試験を行い、確実に雄花を感染・枯死させる接種方法を検討する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

接種試験を成功させるためには、活性の高い、新鮮なSydowia菌が必要であることから、雄花枯死発生林分において菌株を収集するために旅費を使用する予定である。また、感染枯死雄花からの菌の純粋分離・培養等にかかる消耗品として研究費を使用する予定である
Sydowia菌の採取のため、秋田県、福島県へ出張するため、旅費として使用する。
Sydowia菌の純粋分離のため、麦芽寒天培地等、分離に必要な培地を購入するために使用する。

  • Research Products

    (1 results)

All 2014

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 菌類を利用した花粉症起因植物に対する花粉飛散防止効果2014

    • Author(s)
      窪野高徳・市原 優・阪上宏樹
    • Organizer
      第125回日本森林学会
    • Place of Presentation
      大宮ソニックシティ
    • Year and Date
      20140327-20140329

URL: 

Published: 2015-05-28  

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