2013 Fiscal Year Annual Research Report
セルロースを触媒とする新規イオン重合による材料の創製
Project/Area Number |
24658157
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
坂口 眞人 静岡県立大学, 付置研究所, 特任教授 (40113328)
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Keywords | セルロース / カチオン重合 / メカノケミカル反応 / イソブチルビニルエーテル / ブロック共重合 |
Research Abstract |
本申請研究は、環境負荷の低い新規合成反応を開発し、これを再生可能資源であるセルロースの機能化に適用し、新規機能性材料の創製を目指すものである。 真空中77Kでの微結晶セルロース(MCC)の機械的破壊によりセルロース主鎖のβ-1,4グリコシド結合がイオン的に切断しMCCメカノカチオンが生成することを実証した。次に、カチオン重合性モノマーであるイソブチルビニルエーテル(IBVE)存在下真空中77KでMCCを機械的に破壊することにより、MCCメカノカチオンがMCCナノ粒子新鮮表面に生成すること、これがIBVEのカチオン重合を開始し、MCCナノ粒子表面からポリIBVE(PIBVE)鎖を生長させ、新規化合物であるMCC-PIBVEブロック共重合体(MCC-block-PIBVE)が合成できることを見出した。これは、無溶媒固相系で金属触媒カウンターイオンが無い裸のMCCメカノカチオンが重合を開始し、進行させるというこれまでとは全く異なる新規のカチオン重合法である。更に、従来のカチオン重合法ではホモポリマーしか得られないが、本開発の固相メカノケミカルカチオン重合法ではブロック共重合体が得られるとともにMCCナノ粒子の表面化学修飾となることから樹脂充填材としての応用が期待できる。 以上のことから、無溶媒固相金属触媒フリーという環境負荷の低い新規固相メカノケミカルカチオン重合法によりセルロースの機能化、新規機能性材料の創製という目的が達成されたといえる。
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[Journal Article] Evaluation of chlorinated benz[a]anthracene on hepatic toxicity in rats and mutagenic activity in Salmonella typhimurium2013
Author(s)
Kido, T.; Sakakibara, H.; Ohura, T.; Guruge, K. S.; Kojima, M.; Hasegawa, J.; Iwamura, T.; Yamanaka, N.; Masuda, S.; Sakaguchi, M.; Amagai,T.; Shimoi, K.
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Journal Title
Environmental Toxicology
Volume: 28
Pages: 21-30
DOI
Peer Reviewed
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