2012 Fiscal Year Research-status Report
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24658169
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
木暮 一啓 東京大学, 大気海洋研究所, 教授 (10161895)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 秀勝 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 教授 (80260537)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 海洋微生物 / 群集構造 / 微小場 / 16S rDNA / 東京湾 / 乱流 |
Research Abstract |
24年度は海洋における物理場、とりわけ小さなスケールでの乱流の状態を把握するとともに、それと微生物の群集構造がどのような関わりを持っているかについて検討を行った。微生物すなわち原核生物群は1mL中おおよそ百万細胞存在するが、その多様性および均質性についてはまだ十分な知見が得られてはいない。つまり、海水は常に流動して微生物を混合している以上、例えばメートルスケールで群集がかなり混合状態にあるのか、あるいはそれよありはるかに小さなスケールで不均一分布をしているのか、不均一分布をしている場合には何がその要因となっているのかは分からない。このため、2012年9月5-6日に東京海洋大学青鷹丸に乗船し、東京湾口においてTurboMAP-GliderとYODAとを用いて物理的な観測を行うと同時にロゼット採水器によって採水を行った。採水は一回の採水時にロゼット採水器の位置によってどの程度の差があるか、一本の採水器の中でどの程度の均一性が保たれているかどうかについて検討するために採水を行った。採水後、Sterivexフィルター上に微生物を捕集し、凍結して実験室に持ち帰った。その後、解凍し、核酸を抽出後、16S rDNAをPCR増幅した後に次世代シークエンサー(454 GS Junior)にてその塩基配列を求めた。データは現在解析中である。解析結果が出るならば、微小場での微生物の群集構造が解明されるとともに、これまで通常数kmスケールで行われていた微生物群集のサンプリング法そのものの評価につながることになる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の当初の目的を達成するためのサンプリングを行い解析中である。その結果を基に、平成25年度の研究の方向性を定めることができる。
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Strategy for Future Research Activity |
6月にふたたび東京海洋大学の船舶に乗船し、共同して物理場の測定とサンプリングとを行う。24年度の結果を踏まえてサンプリングの時空間的な粗密度を検討し、それに基づいたサンプリングを行う。微生物群集についてはその遺伝子を抽出後、16S rDNAの塩基配列を次世代シークエンサーにて解析し、その構造を求める予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
主に、遺伝子解析用の試薬関連の消耗品に充てる。また、海外の研究者との共同研究のために、その旅費に充てる予定である。
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