2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24658176
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Research Institution | Nippon Veterinary and Life Science University |
Principal Investigator |
倉田 修 日本獣医生命科学大学, 獣医学部, 准教授 (90277666)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中易 千早 独立行政法人水産総合研究センター, その他部局等, 研究員 (00311225)
岡内 正典 独立行政法人水産総合研究センター, その他部局等, 研究員 (40372023)
尾崎 照遵 独立行政法人水産総合研究センター, その他部局等, 研究員 (40416045)
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Keywords | 細胞・組織 / 免疫学 / 発生・分化 / 移植 / 造血 |
Research Abstract |
本研究はヒラメ造血前駆細胞(YS-1 HPC)を同一雌性発生ヒラメ家系(YS-1)の生体に移植し、病原体感作後の移植細胞の分化増殖を解析することで、ヒラメの造血機能の特性について知ることを目的としている。移植細胞の追跡を可能にするために、昨年度、EGFP発現コンストラクトを構築したが、いずれも明瞭な蛍光発現を示さなかった。そこで、ハウスキーピング遺伝子であるEF-1αのプロモーター領域をクローニングし、新たに本プロモーターの制御によるEGFP発現コンストラクトを構築した。本コンストラクトのトランスフェクションにより、良好な蛍光発現は観察されたものの、移植に用いる細胞数を得ることはできなかった。本年度、YS-1家系ヒラメは、多数の孵化仔魚の奇形発生および一部の親魚の死亡により、生産できなかった。昨年度の作出個体はサイズが大きく、移植細胞は体内で拡散してしまうことが予想されたため、造血器である腎臓を体外に取出した器官培養を試み、培養組織への移植を行った。器官培養を行った腎臓は、2週間後も十分な生存率を示し、また、蛍光試薬で標識したYS-1 HPCは、移植後、生残していることが確認できた。これにより、個体を用いない器官培養による細胞分化解析も可能であると判断した。また、細胞の分化成熟度合を評価するモノクローナル抗体の作製を行い、7種のモノクローナル抗体を複合的に用いることで、リンパ球や食細胞といった細胞集団への分化評価を可能にした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
孵化仔魚の奇形発生および一部の親魚の死亡により、試験魚の生産が行えなかったことで、個体への移植試験が実施できなかった。そのため、個体への移植に代わる手法の開発に時間を要してしまった。一方で、代替法として確立した器官培養による移植解析は、試験魚の生産状況に左右されることなく、安定した研究の遂行を可能にした。
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Strategy for Future Research Activity |
個体を用いた移植試験に加え、器官培養を用いた移植試験も並行して進め、病原体感作後の移植細胞の分化・増殖動態を解析する。細胞分化の評価に、遺伝子だけでなく抗体の利用も可能となり、より精度の高い解析を行う。移植細胞の蛍光標識は、EGFP発現コンストラクトに代わり、一過性の蛍光標識試薬を利用する。合わせて、EGFP発現コンストラクトのトランスフェクションによる恒常的な蛍光発現細胞の樹立も引き続き試みる。
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Research Products
(3 results)