2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24658193
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
八木 洋憲 東京大学, 農学生命科学研究科, 准教授 (80360387)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 憲一 島根大学, 生物資源科学部, 准教授 (60391398)
松尾 和之 独立行政法人国際農林水産業研究センター, 生産環境・畜産領域, 主任研究員 (70370533)
芦田 敏文 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農村工学研究所, 主任研究員 (70414448)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 経営情報 |
Research Abstract |
本課題では,とくに作業履歴および位置情報を経営において統合的に活用するための標準化およびオープンソース化とそれらの農業経営への実証試験によって,農業経営情報の評価手法を開発することを目的とする。平成24年度は,各種オープンソースの統合利用を可能とするための標準化モデルの開発を進めるとともに,複数の実証試験地においてGPSやGIS等の情報機器を用いて作業履歴および位置情報,圃場情報の蓄積を行う。 初年度は,1)農業経営における経営情報の概念の明確化ならびに類型化を行い,農業経営分析のための概念整理を行った。経営の活動は資本過程と生産過程からなり,それぞれの過程において資金と資材のストック・フローの情報が存在する。そしてアウトプットとしての利益および生産物のストックとフローの情報が存在する.生産過程において,資源は技術によって結合されるが,そのモニタリングのために生産状況情報が必要となる。また,調達・生産・販売の効率性は,財務指標と比較することにより,資本過程と関連づけられる.さらに,資源や資本および生産物の価格といった市場情報(調達や販売・分配の可能性)は,蓄積されて企業内情報となる。この分類に従って,農業経営における経営情報の評価を実施する。 2)以上を解析するために,GPS作業履歴,市販精密農業機器,市販GISの出力ファイルのデータファイルから,簡便に作業時間と作業圃場を集計できるソフトウェアを開発した。 3)さらに,作業履歴・位置情報の蓄積のため,実証試験地において研究協力者とともにGPS,GIS,データベースを用いて,作業履歴および位置情報の蓄積に着手した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題が,挑戦的である理由の一つに,「経営情報」という把握が難しく,技術面にも最先端である分野を扱っていることが挙げられる。にもかかわらず,初年度において,農業経営における経営情報の概念を明確化することができ,すでにその実証分析に入っており,研究成果も上げられている。さらに,試験的に情報蓄積・解析を実施するためのソフトウェアも初年度に開発することができ,実証試験地での作業履歴の蓄積も進んでいる。以上から本課題はおおむね順調に進捗していると評価される。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は,農業経営において試験的に情報蓄積を実施しながら,情報管理の実態を把握する。とくに,前年度に整理された経営情報の概念整理を,土地利用型の農業経営に適用し,経営内および経営外における情報資源の役割について明らかにする。 具体的には,1)GPSや精密農業機器を用いて,土地利用型農業における作業履歴を把握し,前年度に開発したソフトウェアにより解析する。2)ヒアリングおよび解析されたデータ,経営資料等の比較を通じて,土地利用型経営における経営情報の意義を把握する。また,3)農業経営の組織構造が異なる場合における経営情報の評価にとりかかる。さらに,4)経営情報利用の標準化モデルの実現において必要なソフトウェアの開発を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
現地調査の実施において,国内旅費(実証試験地につき各4回程度)が必要となる。また,経営情報の蓄積および解析のために,GPS,モバイル端末,ソフトウェア等の購入が必要となる。
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Research Products
(8 results)