2013 Fiscal Year Research-status Report
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24658199
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
溝口 勝 東京大学, 農学生命科学研究科, 教授 (00181917)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 幸 弘前大学, 農学生命科学部, 准教授 (40302020)
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Keywords | 気象 / ICT農業 / 土壌物理 / 寒試し / 地域活性 |
Research Abstract |
本研究は、伝統的な天候予測手法「寒試し」を実践するリンゴ農家グループと園地モニタリング実験・勉強会を通じて、(1)リンゴ農家が伝統的な「寒試し」にもとめている情報とその利用方法 (2)「寒試し」を通じた農家の連携体制と生産現場における園地情報へのニーズ (3)農村地域のネットワーク構築と効果的な情報利用の可能性 を探り、これらを実現することによって、長年月にわたり農村地域に伝わる伝承や農家の伝統的な知識を整理し次世代への継承を目指すとともに、高齢化や後継者難に苦しむ農村地域において、伝統的手法とICT農業との融合を図ることを目的としている。 本年度は昨年に引き続きリンゴ園地の天候データ収集と「寒試し」の検証を行った。すなわち、青森県津軽地方のリンゴ園において、センサーネットワークを活用した園地情報のモニタリングを行い、農家の理解と協力が得やすい簡易的な装置を用いてリンゴの着色や収穫期の検証などを進めた。また、「寒試し」の運用体制の分析と地域的な農家の連携体制の検証を行う目的で聞き取り調査を行い、リンゴ農家がICTを利用した圃場モニタリング技術を導入しようとするインセンティブに影響する要因を分析した。その結果、モニタリング技術の普及のためには、 農家の情報収集やITに関する主体的な興味・関心を喚起することが必要であること、また、普及者が密接に関わり導入の趣旨やメリットをしっかり伝え導入後も継続した管理を行うことが重要であることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究分担者が研究代表者となっている研究と同じフィールドで本研究を実施しているために、相補的に研究が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
融雪期における樹液流の変化を測定することにより、地温モデルによる開花日の予測精度を向上させ、リンゴ農家レベルでの実用化を図る。また、気候変動に伴うリンゴ栽培の適応策についてリンゴ農家と議論を深める。 最終年度に向けて、これまで学会発表してきた内容を論文にする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初予定していた樹液流測定用のセンサーを年度内に設置できなかった。 樹液流測定用のセンサーを次年度早々に設置する予定である。
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Research Products
(5 results)