2014 Fiscal Year Annual Research Report
アブラナ科野菜の機能性を増強するガスハイドレート形成貯蔵法
Project/Area Number |
24658208
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
牧野 義雄 東京大学, 農学生命科学研究科, 准教授 (70376565)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋廣 高志 島根大学, 生物資源科学部, 助教 (40508941)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 機能性物質 / 野菜 / 包装 |
Outline of Annual Research Achievements |
ブロッコリー、キャベツ等アブラナ科野菜に含まれる化学物質「スルフォラファン」が、ピロリ菌の毒素に起因する胃癌の発症を抑制する効果を持つことが知られており、野菜の健康増進作用を裏付ける要因として重要視されている。ただし、新鮮な状態ではスルフォラファンはほとんど存在せず、野菜に含まれる辛味物質「グルコラファニン」に酵素「ミロシナーゼ」が作用することで、スルフォラファンが生成する。 本研究では、ブロッコリーを嫌気状態で貯蔵することにより、スルフォラファンが蓄積されることを偶然発見した。気体遮断袋(O2透過度:8 mL/(m2 d atm))中にブロッコリーを封入し、20℃で貯蔵したところ、通気性の高い袋(O2透過度:1,200,000 mL/(m2 d atm))で貯蔵した場合に比べて2 dの間にスルフォラファン濃度が2.3倍となる現象が確認された。その際の袋内O2濃度は0%、CO2濃度は25.4%であった。微細孔袋(O2透過度:64 mL/(m2 d atm))で包装した場合にも2 dの間に1.6倍となり、その際の袋内O2濃度は1.3%、CO2濃度は20.6%であった。一方、O2 0.002%、CO2 0%で貯蔵した場合、O2 21%、CO2 21%で貯蔵した場合には、スルフォラファンの蓄積は認められなかった。以上の結果から、低O2と併せて高CO2を含む環境条件が、スルフォラファン増強のためには不可欠であることが確認された。
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