2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24658213
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
淡野 公一 宮崎大学, 工学部, 教授 (50260740)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 微粒子 / 噴霧器 / ナノミスト |
Research Abstract |
本年度は,まず,提出した申請書の研究計画に示した,(1)ナノミスト噴霧器の種々の設計値やパラメータとミスト径,ミスト量の関係を測定・評価する,に取組んだ。具体的には,ベンチュリーノズルの内径や穴径など種々のパラメータの値が異なるノズルを準備し,これらの組合わせによる噴霧ミストのミスト径等の評価を行った。その結果,ノズルのパラメータによるミスト粒子径への影響もあると思われるが,ミスト径へ最も大きな影響を及ぼすパラメータは,ポンプ圧およびポンプ風量であることが分かった。詳細には,ポンプ圧およびポンプ風量の増すに従って,より小さな径のミストが噴霧されることが分かった。これは,ポンプ圧およびポンプ風量を増すことで,径の大きなミストも噴霧されるが,分離板が効果的に働き,より小さな径のミストのみが噴霧口に届き,機体外へ噴霧される結果になっているものと考えられる。この結果は予想を覆すものであり,今現在,詳細の分析を行っているところである。今後は,ポンプ圧と風量を独立に変化させる実験にも取組む必要があり,また,分離板の形状による影響に関しても評価しなくてはならない。これらは次年度取組む予定である。 次に,(2) 農業分野への応用を例に,農薬噴霧の実証実験に取組む,を実施した。これは農業従事者の協力によりビニールハウスを借り,農薬噴霧を定期的に実施し,その効果についての調べた。その効果の定量化は難しいものの,噴霧をしていないビニールハウスとの違いは,黙視により明らかであり,試作噴霧器の効果を確認できた。次年度は,これらの定量的な評価方法について検討すると共に,(1) の研究成果をこの実証実験に対して活用することも考える必要がある。 なお,以上の(1)および(2)の研究の一部は,電気関係学会九州支部連合大会にて発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本来であれば,さらに多数のベンチュリーノズルや分離板を作成し,評価する予定であった。これが今回は1回(1日)のみの評価に止まっている。これは,当初計画していた噴霧ミストの粒子径評価サービス(有償)が,会社における事業再編等により,中止となったためである。そこで,本取り組みのことをMalvern社に説明し,1回に限り評価させていただくことができた。次年度以降,この機器が購入できない場合は,研究の中止も考えざるを得ない。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは,数百nmオーダーの噴霧粒子径を測定評価可能な測定器の調達を考えねばならない。本予算の範囲では購入できないので,他の予算申請等により予算措置しなくてはならない。この測定器が使えることを前提に,次年度は,(1) ポンプ圧と風量を制御する回路を設計,試作する,(2) ポンプ圧,風量を独立に変化させることで,ミストの粒子径とミスト量がどのように変化するのかを調べる,(3) 分離板の形状とミスト径との関係を明らかにする,ことに取組む予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
これまでの研究成果で,ポンプ圧,風量による影響が大きいことから,これらを制御する集積回路を設計,試作する。そのための試作費用および測定器を計上する。また,ベンチュリーノズル,分離板の細作費用も必要となる。さらに,これまでの研究成果を学会にて発表するための出張旅費を計上する。
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