2014 Fiscal Year Research-status Report
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24658213
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
淡野 公一 宮崎大学, 工学部, 教授 (50260740)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ナノミスト / 噴霧器 / 薬剤散布 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,ナノミスト噴霧器の噴霧粒子径制御の実験に取組んだ。噴霧器の内部に設けられている分離板の形状(R:分離板の曲率半径),内部シリンダの頂点から分離板までの距離(d),ベンチュリー効果を起こすためのポンプの流量(Q)の3種のパラメータを変化させ,測定を行った。具体的には,R=12mm,18mm,24mm,30mm,∞の5種類,d=5mm,8mm,11mmの3種類,Q=1.89L/min,2.17L/min,2.48L/minの3種類の組み合わせの合計45パターンの計測を行った。その結果,粒子径を体積基準で2μmから11μmまで変化させることに成功した。 また,ピーマンへの忌避剤(日向樟脳液)の噴霧実験に取組み,噴霧していないビニールハウスとの比較をとおして,その効果を確かめることができた。 平成27年度はこの研究成果を学術論文誌や国際学会で発表し,最終的なまとめに取組むとともに,ナノミスト噴霧器の応用に向けたマイクロブロアを駆動するためのドライバの設計,試作および評価に取組む予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本申請時には,分離板の曲率半径Rのみで粒子径制御に取組む見通しであったが,粒子径は変化するものの,噴霧量も大きく変化し,実使用には問題があることが分かった。そのため,Rに加え,内部シリンダの頂点から分離板までの距離(d),ベンチュリー効果を起こすためのポンプの流量(Q)の3種のパラメータを変化させるに至り,その結果,粒子径制御が可能であることが分かった。以上より,本研究の目的であった粒子径制御の方法論を見出すことができた。ただし,現状では分離板の曲率半径を電子的に制御するには至っていない。この点に関しては今後の課題である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は,これまでの研究成果を学術論文誌や国際学会で発表する予定である。また,試作した噴霧器は比較的大きいため,医療等への応用には現段階では不向きである。そこで,更なる応用を考慮し,AC(またはDC)ポンプをマイクロブロアへ変更し,そのマイクロブロアを駆動するための回路の設計および試作に取組む。
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Causes of Carryover |
平成26年度に研究そのものを終える予定であったが,当初予定していた有償によるミスト径の評価サービスが終了し,研究そのものが一年間遅れる結果となった。しかしながら,平成26年度に評価を実施していただける機関を見つけ出すことができ,粒子径制御の実験に取組むことができ,その方法論を見出すことができた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度は,学術論文誌への投稿や国際学会での発表のための費用,並びにナノミスト噴霧器の小型化のためのマイクロブロアのドライバーの設計,試作の費用,および設計回路の評価のためのオシロスコープ(申請書に記載)を購入する予定である。
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