2013 Fiscal Year Annual Research Report
FANOVAを援用した野菜の硝酸代謝応答変動の非破壊検出法開発
Project/Area Number |
24658219
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
伊藤 博通 神戸大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (00258063)
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Keywords | 国際情報交換(ベルギー) / 生体計測 / 近赤外線分光法 / FANOVA / レタス / 硝酸代謝 / 硝酸イオン濃度 / 非破壊計測 |
Research Abstract |
供試作物はレタス (Lactuca sativa L., cv. “Greenwave”)である。人工気象器内で2週間栽培した。栽培光源にはLEDを使用した。明期/暗期設定を1 h/1 h,3 h/3 h,6 h/6 h,12 h/12 h,R/B比(赤色光の青色光に対する光量子束密度比)を5に設定した。栽培後サンプルを収穫し,MERCK社製RQflex plus10によって硝酸イオン濃度を測定した。収穫時に測定したレタス個体のスペクトルと硝酸イオン濃度実測値でキャリブレーションを行った。地上部生体重が1.5 gを超えた210サンプルを解析に使用した。決定係数が0.72となった。栽培期間中に20分周期で連続測定した近赤外スペクトルをこの検量線に代入して生育中レタス個体の硝酸イオン濃度の経時変化を測定した。 FANOVA法を用いて栽培日毎に測定スペクトルを解析した。硝酸イオン濃度測定値を1~6000mg/Lまでの範囲で1000 mg/L毎の段階で1~6の水準に割り当て,これらを硝酸イオン濃度の水準とした。硝酸イオン濃度因子による効果関数において特徴的な経日変化が生じる有効波長は978 nmであった。この波長の硝酸イオン濃度因子関数値について経日変化を見てみると、定植後9日目に大きなピークが検出された。近赤外スペクトルから測定した硝酸濃度経日変化では定植後9日目付近で濃度が増加から減少に切り替わっていた。従ってFANOVA法による解析により硝酸代謝が変動するする期日を検出できることがわかった。スペクトルから硝酸濃度の経日変化を測定する場合は全栽培日程の測定結果が得られるまで硝酸濃度の大まかな変動を把握することは困難であるが、FANOVA法では各期日単位で解析が可能であるため硝酸代謝変動をリアルタイムで把握することができることがわかった。
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