2013 Fiscal Year Annual Research Report
乳腺上皮細胞が放出する白血球遊走因子のウシ乳房炎早期診断・治療法開発への応用戦略
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24658224
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
麻生 久 東北大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (50241625)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北澤 春樹 東北大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (10204885)
渡邊 康一 東北大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (80261494)
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Keywords | 乳房炎 / シクロフィリンA / 遊走因子 / 診断法 / 炎症 / 乳汁 / イムノクロマト / 簡便 |
Research Abstract |
申請者は、世界で初めて白血球遊走因子シクロフィンAが炎症性腺胞の乳腺上皮細胞で強く発現し、さらに体細胞が浸潤した腺胞内乳汁へ分泌されることを発見した。よって、本研究では、シクロフィリンAの乳房炎発症組織における発現様式および乳房炎乳汁中における検出方法を確立し、その分泌と病態との関連性を明らかにすることを目的とする。 今年度は、組換型牛シクロフィリンAを作成し、その細胞遊走活性を検討した。pPAL7ベクターに牛シクロフィリンA配列を組み込み、大腸菌で発現させ、アフィニティカラム、ゲル濾過カラムにより組換型牛シクロフィリンAを精製した。牛末梢血から顆粒球を比重分離法で分離し、トランズウェルを用いて細胞遊走活性を解析した。精製した組換型牛シクロフィリンAは細胞遊走性を有し、至適濃度が存在することが判明した。抗牛シクロフィリンAポリクローナル抗体を作製し、中和試験を行い、シクロフィリンAの遊走活性は抗体により中和された。牛シクロフィリンAは細胞遊走活性を有することが判明し、乳房炎における炎症の発動に重要な役割を果たすが明らかとなった。 既に確立しているシクロフィリンAのウエスタンブロット解析およびELISA法は、測定機材および測定に必要な時間などを考えると、全く実用性に乏しい。よって、酪農現場での応用を図るには、簡便な乳汁中シクロフィリンAの検出方法を確立する必要がある。作成した組換型牛シクロフィリンAに対するウサギ・ポリクローナル抗体および作成に成功したマウス・モノクローナル抗体を用いて、現在イムノクロマトキットの開発を試みている。
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Research Products
(10 results)