2012 Fiscal Year Research-status Report
トリコテセン系かび毒へのアンモニア暴露による生成物の特定と毒性の解明
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24658226
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
近藤 誠 三重大学, 生物資源学研究科, 助教 (50432175)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | デオキシニバレノール / アンモニア / 毒性 |
Research Abstract |
HPLCによるデオキシニバレノールの定量条件を検討し、以下の条件として設定した。分離カラム ODSカラム(4.6mm x 250mm)、検出波長220nm、移動相 水:メタノール:アセトニトリル=18:1:1、流速1.0ml/分。デオキシニバレノールの保持時間は18.7分であり、同時に分析したニバレノールの保持時間は9.3分であったことから、両者は明確に分離できていた。これらの条件でデオキシニバレノールの定量性を確認したところ、0.15~10ppmまで検量線の直線性が保たれていたため、今後の定量には本条件を用いることとした。一方、アンモニアを暴露したデオキシニバレノールをアンモニアにより暴露させた場合、先の条件で測定したデオキシニバレノールは減少することが確認され、未同定のピークが2種類出現していた。現在は、これら2種類以外の化合物の存在を確かめるため、アセトニトリル濃度を0~100%に変えて分析を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
デオキシニバレノールの定量条件の検討の際に、HPLCのカラムおよびポンプで異常がおき、その異常個所の確認と修理に時間を費やし、目標の実験まで到達できなかった。 アンモニア暴露によるデオキシニバレノールの毒性の変化を評価するため、培養細胞(HL60株)による評価を検討しており、現在技術の習得を学内の他の研究室にて行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
細胞培養の技術を習得した後、自身の研究室で細胞培養の設備を整え、アンモニア暴露したデオキシニバレノールの毒性の変化を評価する。 一方、デオキシニバレノールのアンモニア暴露実験を行い、新規の2種類のピークをマーカーとして反応生成物の検出を行う。また、それらの化合物をHPLC-MSにより分子量の推定を行う。新規のピークに該当する化合物を単離し、NMRにより構造を決定するとともに、毒性の評価を培養細胞を用いて行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
4月~5月中に毒性評価の技術を習得し、研究室内で設備を整える。6月にデオキシニバレノールに対するアンモニア暴露による生成物の分子量を測定し、7月~10月には生成物の単離を目指し、その後、構造決定と毒性の評価を行う。11月以降は実際の植物体(麦わらなど)にデオキシニバレノールを添加し、アンモニア暴露による濃度変化と栄養価値の評価を行う。2月ごろまでに実験を終え、学会発表と論文投稿に備えることを目標とする。
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