2012 Fiscal Year Annual Research Report
マウス胚盤胞からの4倍体ES細胞の樹立とその応用に関する研究
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24658237
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
加納 聖 山口大学, 獣医学部, 准教授 (40312516)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 4倍体 / ES細胞 / マウス |
Research Abstract |
マウス4倍体胚は、ジーンターゲッティングにおけるテトラプロイドレスキュー法として一般的に用いられる。これは4倍体胚が胎子の発生へ寄与しないことを利用した、ES細胞のみに由来する個体を得ることを目的とした方法である。このようにマウス4倍体胚を補助的に利用する報告は多くあるが、4倍体細胞ならびに4倍体胎子自体の発生能力に着目した研究はない。そこで、4倍体細胞の初期発生における挙動に注目するために、次のような方法を用いてマウス4倍体ES細胞の樹立を試みた。すなわち、マウス胚盤胞期胚の透明帯を酸性タイロード液で融解除去し、それらをESGRO Complete PLUS Clonal Grade Medium+20% KSR培地にて、ICRマウスの13.5日胎子から樹立した線維芽細胞をマイトマイシンCによって処理したフィーダー細胞上に播種、5-6日培養し、現れた細胞塊をガラスピペットで回収し、Trypsin-EDTA処理によって細胞をばらばらにし、同条件下で1週間培養した。1週間後、再び現れた細胞塊をガラスピペットで回収し、0.25% Trypsin + 1mM EDTA in PBSによって処理後に同条件で培養を行ったところ、複数のマウス4倍体 ES細胞様培養細胞ラインの作出に成功した。まず、ES細胞の継代を経てその性質が維持されるのかについて、フローサイトメトリーによって核形観察を確認したところ、4倍体ES細胞様細胞は2倍体ES細胞の2倍量のDNAを有することが明らかになった。次に、抗α-tubulin抗体による免疫染色によって分裂期のスピンドル形成を観察したところ、細胞分裂が正常に行われていることが明らかになった。以上の結果により、今回樹立したマウス4倍体ES細胞様細胞は2倍体ES細胞とほぼ同様の性質を持つことが予想された。
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Research Products
(2 results)